「HDPの一部離党、AKPと連立」の噂を、否定
2015年06月25日付 Milliyet 紙


民主地域党(DBP)のカムラン・ユクセキ党首は、国民民主主義党(HDP)国会議員数名の離党とDBPへ移籍、そして議会において会派をつくり、公正発展党(AKP)を支持するという報道について、事実ではないと述べた。そして「同士を再び我が党へ呼び戻したり、そこで組織を作り上げたりといった考えはありません。彼らはこれからもHDPの中で政治活動をおこなっていくでしょう」と続けた。

HDP所属として選出された国会議員たちの一部が離党をしたのちにDBPに入党し、議会で会派を形成してAKPを支持するといった内容の報道がアンカラで出たことに関して、ディヤルバクルにいたDBP党首カムラン・ユクセキ氏が声明を出した。ユクセキ党首は声明で、自らが推薦をした議員たちはHDP党員として相応しく、彼らが現在HDP党員として活動をおこなっているとして次のように述べた。

「DBP所属であったがHDPへ迎えられた同士たちは、HDPで異なった構成要素として政治をおこなって欲しいという思いから送り出しました。現在もおよそ40人の同士が議員として選ばれています。彼らはHDPに所属し、HDPとともに政治をおこなっていくでしょう。HDPは共同のプロジェクトです。トルコの未来をつくりあげるためにできたプロジェクトです、よって我々の同士を再びDBPに呼び戻し、そこで組織をつくるといったような考えはありません。彼らはHDPとともに政治をおこなっていくでしょう」

■「もはやHDPなしのトルコなど考えられない」

ユクセキ党首は、議会がトルコを再び皆が共生できる民主的国家へと変えること、議会が建設的役割を担うこと、そしてトルコ共和国を再び立て直す役割としての責任を果たすことが社会の期待することであると強調した。そして次のように続けた。

「社会的な取り決めが必要です。共生の法は、改めて憲法を必要としています、トルコの期待はまさにこれなのです。そのため、形成されるだろう連立政権がどのようになろうと、必ずこの期待に応えなければなりません。我々が訴える根本的な問題はこれです。トルコにはこれが必要なのです。政党が一緒になってつくりあげる連立政権よりも、全ての政党はこの期待に目を向けなければなりません。そしてどのような連立政権になろうと、再びこれら全ての現実に基づいた国の構築を目的とすることが必要なのです。つまりこれは新たな民主的憲法を意味します。これは約束されるべきことです。
民主国家であるためには、クルド問題が民主的かつ平和的な方法で解決されるということが約束されなければなりません。定年退職者や貧困層に権利が与えられるということが約束されなければなりません。トルコがあらゆる緊張の糸から解放され、中東での暴力の袋小路に巻き込まれずに民主的変化をもたらすことができるような政府が作られる必要があります。我々の、そして社会の期待はこれなのです。この点において、HDPはより積極的な動きを見せるべきです。もはやHDPなしのトルコなど考えられません。HDPが選挙前に自らが持ち合わせていた客観性を選挙後も活かしていかなければなりません。これらの理由で我々DBPは、どの政党がどの政党と連立政権を組むかということよりもまずこの基本的な義務が遂行されることを望みます。」

■「クルド問題解決プロセスは会談でより前進するべき」

DBPのカムラン・ユクセキ党首は、今回の選挙結果がトルコの多くの事柄を変えたこと、一つの覇権が崩れ落ち、社会が新たな民主的な共和国の建設を望んでいるとして、次のように話した。

「よって、解決プロセスもこれまでのものとは大きく変わるでしょう。我々は、『会談、意見交換を止まっていたところから続けよう』と言いたいのではありません。より良くなるべきですし、より前進するべきなのです。6月7日以前と同じものなど何一つないのです。選挙前の状況、バランスはすっかり変わったのです。より強いHDP、そしてより強いDBPとなりました。クルド系の多く住む地域での投票率は中くらいでした。AKPはこれらの地域でその他大勢の一政党に過ぎず、人々はHDPと手を結びました。つまり、状況は変わったのです。我々は意見交換や会談ではなく、他の交渉を始めるべきだ、と言っているのです。交渉のための条件は整いました。トルコは時間をムダにすることなくこれに着手しなければなりません。ロジャヴァ(シリアのクルド人地域)の情勢はトルコにも影響を与えています。深刻な状況です、中東情勢はすべてトルコに影響します。トルコが武力衝突に巻き込まれることなく、シリアのようにならず、イラクのような状態になることなく、民主的な方法で問題が解決される道に今すぐ入るべきです。政府がどの政党になろうと、誰によって組織されようとも、まず第一に対処されなければならない問題はクルド問題、民主化問題、新憲法問題であり、イムラル島で以前実現した面会および意見交換のレベルの上を行き、新たな条件下、新たなレベルで直接交渉を始めるべきです。そしてアブドゥッラー・オジャラン氏が自由な条件下で交渉を行うことができる立場に置かれなければなりません。こうすることで、トルコは中東の武力混乱に巻き込まれることなく、成長していけるのです。」

■「ディレキ・オジャランが国会議員となることは重要な進展である」

ユクセキ党首は、(アブドゥッラー・オジャランの姪である)ディレキ・オジャランの立候補についてアブドゥッラー・オジャランが意見を述べていないこと、そしてこれがDBPの決定であることを説明して次のように続けた。

「ディレキ・オジャランが国会議員として議会に参加することはある意味、トルコにとって進展を意味します。トルコの世論においてもこれが反対されているわけではないことがわかりました。トルコ世論、そして社会が到達した地点を示すものです。本当の意味で我々の社会はすでに平和、そして和解への準備ができています。つまりディレキ・オジャランの名前がそこで『オジャランさん』と敬称で呼ばれ、紹介されること、そしてこれが社会的に受け入れられることは我々にとって非常に重要なことなのです。これを我々は吉兆としてとらえています。トルコで政府を組織するだろう人々もこれに目を向けるべきです。解決プロセスを遅れさせたり長引かせたりするのは最早やめるべきことを示すものなのです。トルコは和解に向けた準備ができているのです。かつてレッドラインと言われ、またタブー視されていたこの偏見が社会から取り払われているのです。これはとても重要なことです、トルコでこのタブーは崩れていっています。クルド人、トルコ人、ラズ人、チェルケス人、互いに抱き合おうとしています。共に行きていけるような国を望んでいるのです」

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( 翻訳者:三井景介 )
( 記事ID:37966 )