連立政権の行方を示唆するものとして待ち望まれている国会議長選挙の最初の2回の投票が6月30日に行われた。国会に議席を持つ4政党から4人の候補者が競ったこの投票で、選出に必要な367票に届かなかったため、第26代国会議長の決定は7月1日の投票に持ち越された。4回目の投票で鍵を握る民族主義者行動党(MHP)と国民の民主主義党 (HDP)の2政党の党首からの声明によって投票はより重要な局面を迎えた。
6月30日に行われたトルコ大国民議会議長選挙の最初の2回の投票では全ての政党の会派が自党の候補者に投票し、2回目の投票では公正発展党(AKP)所属スィヴァス県選出のイスメト・ユルマズ議員に256票、共和人民党(CHP)所属アンタリヤ県選出のデニズ・バイカル議員に128票、MHP所属イスタンブル県選出のエクメレッディン・イフサンオール議員に80票、HDP所属メルスィン県選出のデンギル・ミル・メフメト・フラト議員に80票が集まった。CHP所属バイカル議員の支持者から最初の投票で6票、2回目の投票で3票の造反があったことが注目を集めた。7月1日の3回目の投票では276票が投じられた。4回目の投票は、最多票を集めた2人の候補者の間での決戦投票となる。
■守秘義務に関する注意
(暫定議長の)バイカル議員は6月30日の選挙で投票前に投票規則を説明し、「議員諸君には投票の守秘義務において配慮を示すようお願いします」と述べた。バイカル議員は各投票台には同じ色のペンが置かれていることを強調し、他の色のペンを使ったり、投票用紙に(票を投じる候補者の名前の脇につける)×印以外のしるしを付けたりすれば投票は無効になると警告した。545議員が参加した最初の投票ではAKP所属のユルマズ議員が256票、CHP所属のバイカル議員が125票、HDP所属のフラト議員が81票、MHP所属のイフサンオール議員が81票を獲得した。フラト議員とイフサンオール議員が80議席より多い票を獲得した一方で、132議席を持つCHPからは最初の投票で6票の造反があった。CHP所属エスキシェヒル県選出のジェマル・オカン・ユクセル議員が訪問者と面会していて投票を逃していたことが判明した。最初の投票では、5人のCHP議員のうち2人が白票を投じ、3人がHDPとMHPに投票した可能性が浮上した。バイカル議員も自身に投票することができなかった。258議席を持つAKPでも2人の議員が正当な理由で投票に出席できなかった。2回目の投票ではユルマズ議員が256票、バイカル議員が128票、フラト議員が80票、イフサンオール議員が 80票を獲得した。この投票ではバイカル議員支持者から3票の造反があった。HDPの2人の議員が正当な理由で投票に参加できなかったため、フラト議員はHDP以外から再び2票を得たことになる。白票は1票に減った。
■協力姿勢が見えず
結果は、各党の「国会議長の選挙は連立政権の目論見とは関係ない」という姿勢を肯定するものとなった。各党会派から、各候補者への連立政権のシナリオを示すような票の動きはなかった。MHPが鍵を握っているとみられている。HDP以外の候補者が最後の2回の投票でMHP議員の票を得るために模索を続けていた。MHPは、決選投票となる最後の投票まで(自党の候補者である)イフサンオール議員を擁立し続けることを明らかにした。最後の投票前に作戦としてAKPの60人がHDPのフラト議員に投票し、バイカル議員を除外する筋書もあったが、反応はなかった。
■3回目の投票
AKPは、MHPから18票をもらい、3回目の投票で276票を獲得し選挙を終わらせる努力を行った。AKP幹部は、これが無理であれば、バイカル議員を支持しないHDP議員とMHPから流れた票で、4回目の投票でユルマズ議員の選出を期待していた。これに対しバイカル議員も最後の投票前に確立された政治的関係と政治経験を発揮したことは驚くべきことではないだろう。バフチェリ議員が今日、会派を拘束しないことで起こりうる分裂で、選挙は重大な局面を迎えるかもしれない。
■クルチダルオール議員、憤る
バイカル議員へCHPの国会議員数と同じ数の票が集まらなかったことに対してCHP党首のクルチダルオール議員が憤った。党の中央執行委員会(MYK)を集めたクルチダルオール議員の最初の反応は、「バイカル議員の立候補と勝利の重要性を強調したにも関わらずまだ分かっていない議員が何人かいることは受け入れられない」というものであったことが伝えられている。
■HDPが投票しても我々はバイカル議員へ投票しない
国会議長選挙に関して裏でたくさんの噂が飛び交っている。特に昨日の3回目の投票時、まさにチェスのゲームに転じると予想されていた選挙に関して、MHPデヴレト・バフ チェリ議員から興味深い説明があった。バフチェリ議員は「もHDPがデニズ・バイカル議員への支持を表明したとしても、我々は決してデニズ・バイカル議員へ投票しない」と述べた。
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( 翻訳者:八木美保 )
( 記事ID:38025 )