フランス:ラマダーンに暗い影を落とす過激派の存在
2015年07月04日付 al-Hayat 紙
パリのモスクでの断食明けの食事(al-Hayat)
パリのモスクでの断食明けの食事(al-Hayat)

■フランスのラマダーン…過激派の動きに対する不安と楽観

【パリ:ウーラース・ズィーバーウィー】

先に起こった、ジハード主義の旗を掲げた北アフリカ系のフランス人、ヤースィーン・サーリヒーによる、フランス南東部リヨン市近郊のガス工場襲撃は、聖なるラマダーン月に暗い影を落とし、ムスリムのアラブ人コミュニティの人々に不安と恐怖の種をまいている。

これらのコミュニティの人々は、風刺雑誌『シャルリ・エブド』襲撃事件から今回の事件に至るまで、フランス国内または他のヨーロッパ諸国で襲撃が起こるたびに自身の胸に手を当ててきた。何故なら彼らは、イスラームの名のもとに行われるテロ行為が、ホスト社会における自分たちの生活や自分たちの子供ら生活に影響を与えることを知っているからだ。同様に、これらの事件が放つ、フランスの極右派の増強につながり、フランスや西洋の一部の世論をイスラームへの敵意に駆り立てることも理解している。昨今、イスラームのイメージが、世界中にいる一部のイスラーム過激派たちによって歪められてしまっている。

もしこの襲撃がこのラマダーン月に起きなかったら、フランスにおいて今月は、アラブ人やムスリムのコミュニティの人々の大部分にとって、それまでの全ての年と同様、一定のリズムに従って過ぎていっただろう。公的な統計によれば彼らの数は約500~600万人に上り、これはヨーロッパのムスリムコミュニティの大半を占めており、彼らは祖国に暮らしているかのように習慣や慣習に従って生活している。一般に、彼らにとってラマダーン月は、断食の苦難にもかかわらず、連帯と結束、宗教儀礼の実施、また社会的・文化的な集まりといったさまざまな機会を提供する。今年は、断食の時間が一日に18時間以上も続く。

(後略)

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( 翻訳者:桑原万苗 )
( 記事ID:38059 )