断食をする者は、食べ過ぎを控えることによって、さまざまな身体上の病に罹患したり、突然死に見舞われたりするリスクを避けることができる。困難なことをやり遂げたことで与えられる満足感によって、彼は心の安らぎと自信を得ることができ、そのことが体の免疫器官の強化と、心理的ストレスの減少をもたらす。
イスラームにおける断食は、飲食を控えること〔にその目的があるの〕ではなく、むしろイスラーム的な考え方や生活様式を広めることから成り立っている。〔‥‥〕イバーダ(神への崇拝・服従)なき断食や貧しき者たちへの共感なき断食、〔‥‥〕精神的断食なき断食、すなわち道徳的悪行を遠ざけたとは言えないような断食は、価値が少なく、完全ではないのである。
ラマダーン月には公共の安全に対する安心感が増大
【治安維持軍のサイード・モンタゼロル・マフディー副総司令官(社会問題担当)】
毎年、ラマダーン月〔イスラーム太陰暦9月、今年は西暦6月18日から7月17日まで〕になると、各種の犯罪や社会的逸脱行為の件数が目に見えて減少し、公共の安全に対する安心感のレベル・数値が上昇する。これは、この「神的饗宴」の月が有している精神的恩恵の一つであることに間違いなく、逸脱行為に走りがちな人たちですら、しばしの間、「正道」に戻って規範や法律を破る行為を控えるようになるのである。
この祝福された月に入ると、交通違反の件数すら減る傾向にある。多くの市民が交通法規を守るようになるのだ。この月に交通違反が減る主な原因は、〔ドライバーが〕罪を遠ざけようと努力することにある。イスラームを掲げる宗教国家で交通法規に違反すること〔※原文には「欠陥」(naqs)とあったが、「違反」(naqz)の誤記と判断した〕は「聖法に反する」行為であり、必然的に、一種の〔宗教的な〕罪であるみなされるということを、市民らは知っているのである。
それゆえ、彼らはこの月になると、罪や過ちにまみれることで、自らの実践する断食がもたらす無限のご利益を目減りさせることに対し、いつも以上に気をつけるようになるのである。
さあ、ラマダーン月後も、市民が規範に則った好ましい行為を継続するよう、ともに助け合おうではないか。そして我が社会がこれまで以上に清く、過ちや罪、逸脱のない〔※原文には「普通の」('adi))とあったが「〜のない」('ari)の誤記と判断した〕社会となるようにしようではないか。
つづく
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( 翻訳者:YS )
( 記事ID:38091 )