イラク:アメリカからのF16戦闘機の引渡しを待つ
2015年07月08日付 al-Hayat 紙

■ワシントンは、所定日時にイラクにF16戦闘機を引き渡す

【バグダード:ジャウダト・カーズィム】

バグダードのアメリカ大使館は今夏の所定日時にF16戦闘機がイラクに届けられ、まずはバラド軍事基地で使用されると発表した。一方、アンバール県の部族議会は、可能な限り早く同地域を解放するため、ワシントンに地域住民の武装化を急ぐよう要求した。

本紙が入手したバクダードのアメリカ大使館のジェフリー・ロリー報道官の発表は、以下のように述べた。「ワシントンはイラク政府と協力し、F16戦闘機36機のうち最初の一部を予定どおり今夏にイラク政府に引き渡す。受領後、戦闘機はすぐにバラド空軍基地で使用が開始される予定である。」「また、現在出回っている、ヨルダンから戦闘機が移送され使用されるという情報は正しくない。」

イラクはワシントンとF16戦闘機36機を購入する事で合意したが、今の時点で受け渡しは行われていない。

国民議会の治安防衛委員会のメンバーであるムハンマド・カルブーリー議員は声明で以下のように述べた。「ワシントンとマーリキー首相が率いた前イラク政府が結んだ協定は、現在話し合われている極めて困難な条件を想定していなかった。空軍基地がイラクの領土の外に存在することは出来ない。」「戦闘機を引き渡す約束の期日が迫れば迫るほど、アメリカ政府はバグダードに武器を与えたくないとかのように気まぐれに振舞うようになっている。」

「もしワシントンが本当にダーイシュを駆逐したいならば諸条件を設定してはいけない。」「イラクは世界全体を代表して戦う。イラクには極めて正確に標的を攻撃することのできる最新鋭の武器と戦闘機が必要なのだ。」

アンバール県の部族長議会のガーニム・アイサーン報道官は、本紙に対し以下のように述べた。「スンニ派人民動員部隊に組み込まれた部族の人々はワシントンから約束された武器を手にしていない。」「これまで7000人以上の志願兵がハッバーニーヤ前線基地において米軍から集中的な訓練を受けた。訓練を受けた志願兵には地域を解放するための戦闘の規模に相応しい武器が与えられると想定していたが、実際には、彼らには装備一式とパキスタン製の品質の悪いカラシニコフ銃が与えられただけだった。我々はワシントンが約束した通り、早く我々の住民を武装化するよう望んでいる。」

「アンバール県の警察署長は同県の警察の再編成を行い、同県の諸地域の解放に参加する2万以上の志願兵を編入した。」「我々の情報によると、最新鋭の武器が既に国防省の倉庫に届いた。しかしそれがいつ配備されるかは分からない。」

また、マーク・バレティー駐バグダード・フランス大使は、イラクにはフランス人将校260人が駐留しており、その半分はバグダード、残りはクルディスタン地域にいると発表した。テレビ局「アル=マダー」の報道によると、同大使は、「フランスは15機の戦闘機を地域に保持しており、ラファール戦闘機を湾岸に、ミラージュ戦闘機をヨルダンに配置している」と述べた。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:樫村早紀 )
( 記事ID:38106 )