干ばつでケルマーンの農村地域の生活が困難に直面(1)
2015年07月01日付 Jam-e Jam 紙

 住民が次々といなくなっている村々、そして水不足と干ばつの危機から逃れるために荷をまとめ、生まれ故郷や生活拠点を棄てて、州の中心部に移住し、都市の周辺に広がるスラム街の拡大の原因となっている人々。これは、広大な砂漠地帯の広がるケルマーン州を襲う、干ばつという大問題のワンシーンである。

 無許可の井戸の掘削、農耕地への伝統的な灌漑方法、そしてここ数年の干ばつが、地下水の水位低下を引き起こし、またケルマーン州の水資源を危機的状況に陥らさせている。そうしたなか、現在ケルマーン州の農村地帯の水不足は極めて厳しいものとなっており、多くの村は水がないために、あるいは見棄てられ、あるいはタンカーによる給水がなされている。

  ケルマーン州農村上下水道会社の代表は、現在ケルマーン州では〔‥‥〕水源が都市部や農村部から離れてしまっていると指摘した上で、「農村部が抱える主な問題として、地下水の不安定さが挙げられる。水の量の問題は、水の質の問題に大きな影響を及ぼしており、地下水源からの水の無節操な汲み出しは水の酸性化、塩水化、そして苦味の原因となっている」と述べた。

 アリー・ラシーディー氏は、ケルマーン州の北部では、水消費の最適化に向けた良好な対策が行われていると述べつつ、「これらの地域では、水の消費量が減少しているが、その一方で、州の南部および東部では、州内の水をめぐる状況について、より正確な広報を行い、この問題では節水が求められているということを周知する必要がある」と付け加えた。

 同氏は、ケルマーン州内には5,177ヵ所の村落が存在しており、その数は国内の村落数の10%に相当すると指摘した上で、「州内730ヵ所以上の村には水道管が整備されておらず、ケルマーン州全体でいえば、タンカーによる給水が906ヵ所の村に対して行われている」と述べた。

 アリー・ラシーディー氏はさらに、「かつて水が供給されていた620ヵ所の村は水不足に直面している。この水不足を解決するためには、1300億トマーン〔※約43億円〕の予算が必要だ」と言明した。

 同氏によると、ケルマーン州の農村地帯の飲み水の一部は598ヵ所の井戸によって供給されており、水不足に悩む村への給水が同社の優先課題であるとのことである。

つづく


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( 翻訳者:KGR )
( 記事ID:38175 )