スルチ爆弾テロをめぐりHDPフラト議員、AKP非難
2015年07月22日付 Cumhuriyet 紙
スルチで起きたテロの後、HDPにより次々と行われた発表では、AKPがイスラム国を支援しており、イスラム国に機会を与えていたとされている。HDPのフラト議員によるAPKへの非難の一部はというと、エルドアン大統領がイスラム国に関して行った発表を根拠にし、エルドアン大統領に向けられたものであった。
HDPのフラト議員の発言は以下のとおり。
■実のところ彼らは夢を見ている
(AKPがイスラム国を支援しているというのは)フィクションであるという人々は、実のところ、彼らの方が夢を見ているのだ。何はさておき、我々の手中には恐らくこれに関する確固たる証拠は多く残されていない。何故ならこうしたことがらを扱っている検察官と裁判官が証拠をにぎりつぶしているからだ。もし、(証拠が)残されていたなら、推測するに、(トルコからシリアに運ばれているとされる)武器がどこに行ったのかわかったのに、とおもう。結局、政府にはある種の恐れが存在するのだ
■千単位で数字が語られている
トルコから非常に多くの若者がイスラム国に参加したことが知られている。千単位で(その)数字が語られている。結局、人材補給という方法でもってこれを支援していることが黙認されている。さらに物資がここ(トルコ)からそこ(イスラム国)へ渡ること、つまり補給路が保たれていることが黙認されている。
さらに、欧州諸国は明確に、はっきりとこの問題においてトルコに警告を発している。「あなた方の国境の扉はどれだけ開いているのですか。我々はイギリスから出てイスラム国に参加するためにトルコを経由する過激派活動家を、イギリス政府がトルコに通報し始めた」と述べている。
さて、未だこれがフィクションだと言うことは、私が思うに、現実にそぐわない。さらにアダナ県とメルスィン県で県の施設が爆破されたという事件に続いてディヤルバクル、そしてその後にスルチでテロが起こった。政府は未だこれらの実行犯を見つけることができていない。もし実行犯らが見つかって捉えていたなら、そもそもこの最後の事件は起こらなかったはずだ。
■アドゥヤマンに注意を向けるべきだった
何故なら、推察するに、ディヤルバクルの実行犯はアドゥヤマン出身者で、そしてスルチの実行犯もアドゥヤマン出身の可能性が高い。何よりもまず一度アドゥヤマンに注意を向ける必要があったが、今日までこれは行われてこなかったし、今も行われていない。アドゥヤマンにはいろいろな問題がある、それぞれがイスラム国のために役に立とうと思って行っている。しかしその地に駐屯する治安部隊や、事の先頭に立つ県の行政のトップである知事はこの問題において受け身である。
■達成できないのなら、辞めて出ていけ
もし治安の観点で、治安及び諜報活動の観点で、不備があるなら、それは政府の罪である。国家を運営する責任のある政府が、必要な対策を取ってこなかったことを示すことになる。いや、もし国家内部の一部の非合法勢力がこれを支援しているとしたら、これを見つけて排除することが政府の仕事である。
これを行っていないのなら、達成できないのなら、その時はトルコと言う国に対して行うべきことは一つ。できるだけ速やかに辞めて出ていくこと。国民もそもそも6月7日(前回総選挙)にこのことを突きつけたが、未だ理解せずに固執している。
■政府、自らの共犯者を探している
首相の宣言はただ外見をつくろうための呼びかけであった。実のところ政府は他の政党を自らの共犯者にしたがっている。政府はこうした宣言に他の政党が署名し、自らの責任を(ほかの政党と)分け合うことを望んでいる。
何故なら元々の問題は政府の失敗である。ディヤルバクルでの事件を、メルスィンでの事件をはっきりとさせなかったために、この事件が起こった。今、腰をあげてこの責任をだれかと分け合うことを欲している。デミルタシュHDP共同党首が首相に述べたように、「ドルマバフチェ合意を守るのか、否か?」
政府としてこれを述べる必要がある。政策実行の機能を有しない大統領が「私は認めない」と言うことは受け入れられない。こうした発言は非常に権威主義的な体制下においてはありうるが。何故なら責任があるのは政府であって、政府とこのような合意に達したのだ。この合意を受け入れることのできない者らが、このような宣言を、先頭を切って無意味なものとしている。
デミルタシュHDP共同党首の、「トルコ大国民議会臨時総会」の呼びかけに対し、前向きな反応を示さなかった共和人民党(CHP)の態度を尋ねたところ、フラト氏は以下のように述べた。
■CHP、合意を求めている
勿論、CHPは合意を求めている。この合意のための話し合いの間、私が見た限りでは、余計な問題が出ないように努力している。
勿論これらの問題が話される場所は国会だ。私が思うに政府は機能停止状態だ。行われた全ての集団虐殺(テロ)の実行犯を明らかにし、これらのために対策を取ることができないゆえに、政府は機能停止状態なのだ。そこでこの状況に対し、国会が出ていく必要がある。
その為、臨時総会にCHPも他の諸政党も前向きな反応を示すべきだが、そのような反応はなかった。少なくとも我々の不足分を補うことができたのだ。
■国民哀悼が宣言されるべき
このように非常に重要な事件において、国民哀悼が宣言されないことは問題である。これほどの若者が殺害されたことにおいて、社会としての抗議を意味する国民哀悼が宣言されないことは、思うに、あるところに遠慮しているからだ。
■イスラム国はトルコに戦争を仕掛けた
イスラム国は以下のことを示している、すなわちトルコを明らかな標的として定めていると。明日また起こるであろうさらなる攻撃において、その責任は100%現政権にあるのだ。チュニジアでのテロのように、一つのテロ攻撃はトルコ経済を混迷させる。その為、トルコ共和国がこのテロ攻撃をただクルド人に対する攻撃と認識することは、これまでに(国家が)行ってきた過ちを続けさせるのに他ならない。
管見の限り、イスラム国はトルコ共和国に戦争を仕掛けたのだ。そして全力でもって攻撃を始めようとしている。
シャンルウルファで2人の機動隊員が自宅で頭を撃たれた状態で見つけられたことを、そしてイゼッティン・キュチュク知事が「テロかどうかわからない」とした発表を、まだ記憶が新しいうちに我々が尋ねると、フラト氏は以下のように述べた。
■この地域を血の海と化そうとしている
それぞれがその地域を再び混乱に陥れ、さらに血の海にしようとしている。アドゥヤマンにおいて兵士が殺害された事件も実のところ非常に慎重に調査される必要がある。この攻撃の実行犯を見つけようとする場合、あらかじめ、ある組織を告発することが正しいとは、私は思わない。
国民の間でも現在この事件が他の形で語られている。この観点で、この事件が詳細に調査される必要がある。
■知事はそもそも何も知らない
2人の警察(機動隊員)が頭を打たれたことも興味深い。今日まで全く我々が遭遇しなかった事件だ。衝突などにおいては死者が出ているが、自宅で殺人が実行されたことは奇妙だ。
そもそも私が知る限り、知事は何も知らない。知事らはAKPの県支部のようなものなので、国の仕事や住民の事柄に関わっていないのだ、何もできはしない。
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( 翻訳者:満生紗希子 )
( 記事ID:38241 )