国際エネルギー経済学会会長のギュルカン・クンバルオール博士は、ロシアとの政府間合意が間近であるターキッシュストリーム計画が、エネルギー(政策)のカード(＝打ち手)が再び混ぜられている雰囲気の中で、トルコにとって決定的な重要性を持つことに注目した。

クンバルオール博士は「もし、計画において早急な手段が講じられなければ、トルコのエネルギー基地になるという願いは他の季節にもちこされる。このような結末は来年我が国に政治的観点からも、経済的な観点からも悪い影響を及ぼし得る。」と述べた。
ガスプロム社が、トルコと行う予定のターキッシュストリーム計画における海底を通る4本の輸送ラインのうち、ただ1つの輸送ラインについて、工事作業の実施に関する承認がなされたと発表したことは、計画の残りの3つの輸送ラインの進捗がどのように進んでゆくのかについての疑問符も同時にもたらした。
クンバルオール博士はヒュッリイェト紙に行なった説明において、なされた合意によると、パイプラインを形成する複数のラインのうち最初の輸送ラインのためにトルコの排他的経済水域と領海での工事作業が予定されていると述べた。

■630億立方メートル

クンバルオール博士は、ターキッシュストリーム計画はロシアの天然ガスを黒海の下から4本のパイプによってまずはトルコに、そこからヨーロッパへと輸送することを含んでいることに言及し、「全体として630億立方メートルのキャパシティがあるこの計画からお話ししましょう。許可が出された最初の輸送ラインは157億5千万立方メートルの規模があります。この輸送ラインが運ぶガスの全てがトルコの国内市場で使われることを目標としています」と話した。クンバルオール博士は、計画におけるパイプラインはまず、660kmに渡ってサウスストリームのために予定された経路を追ってゆく予定だと説明し、次のように続けた。

■重要な展開

「660kmに渡るこの最初の経路に続き、輸送ラインが250kmに渡ってトルコのヨーロッパ大陸側の土地に向けて進んでゆくことが問題となっています。最初の輸送ラインのために承認がなされたことは計画にとって重要な展開です。しかし、根元的に重要なのはヨーロッパへロシアのガスを運ぶ他の3つの輸送ラインについてどのような経路が取られるのかということです。今のところ、他の3つの輸送ラインの結末は明確ではありません。我々が話している輸送ラインはたがいに並行しています。このため、一つが許可を与えられ、他のものには与えられなかったことの理由は違ったものとなりうるでしょう。もし理由がロシアのガスへの依存について提示されている過剰反応にあるとするならば、実はこの計画がトルコをロシアのガスへ依存させるのではなく、むしろロシアのガスを輸出する立場にするということを見なくてはなりません。

■他の季節に持ち越される

世界中でエネルギー(政策)のカード(＝打ち手)が再び混ぜられている雰囲気において、ターキッシュストリームは非常に重要なものとなります。もし、残りの3つの輸送ラインのために必要な許可がすぐに出されず、計画において早急に手段を講じなければ、トルコのエネルギー基地になるという願いは他の季節に持ち越されます。このような結末は来年我が国を政治的観点からも、経済的な観点からも悪い影響を及ぼし得るでしょう。」

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（ 翻訳者:成田健司 ）
（ 記事ID:38260 )