■薔薇売りは……愛の言葉を振りまく物乞い
【リヤド:イーサー・シャーマーニー】
薔薇売りがその手を伸ばし、客に商品を見せる。薔薇売りは客が喜んで商品を受け取るまで決して諦めない。だが、この薔薇はもしかしたら棘(イバラ)へと変化して薔薇売りに襲いかかり、彼を牢へと道連れにするかもしれない。
これは首都リヤドの路上で薔薇売りと称して物乞いを行っている人々のひとりが証言した話である。
イエメン国籍のサイードという名の証言者によれば、彼は日に13時間を、首都リヤドの中心部ウライヤー通りに並ぶ五つ星ホテルの周辺で物乞いをして過ごす。彼は父親の指示に従い、薔薇売りに扮して高級車の持ち主に近づいている。
本紙のインタビューの中でサイードが語ったこれまでの経緯によると、彼はサウジアラビアに渡航し、経済的・社会的により豊かになって戻ってきたイエメン人の同胞たちを見て、彼自身も同国に渡航することを決めたという。しかし、非合法な方法で密入国した彼は、半年も経たないうちに物乞いへと身をやつすこととなった。
彼によれば薔薇売りを装った物乞いで得られる収入は、日におよそ150リヤルから250リヤル。しかし、時に収入が500リヤルに達する日もある。それは毎年2月14日である。
23歳になるサイードが仕事に出かけるとき、彼は他の物乞いたちよりも少し良い格好をして、普通の労働者であるかのように装う。ぱっと見には本物の薔薇売りにしか見えない。もしくは路上を愛を振りまいて歩くひとりの男性である。
だがこの手口はいつも成功する訳ではない。時には人々から平手打ちを見舞ったり、当局に連行されて牢で過ごす夜もある。
社会問題省はこのような物乞いを、不当に金銭を儲けようとする手段であり、社会のすねを齧る忌々しい行為であるとして問題視している。だが、政府にこの問題に対処する的確な部署が存在しないために、拡大し続けるこの現象に対し未だ打つ手がない状況である。
(後略)
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( 翻訳者:メディア翻訳アラビア語班 )
( 記事ID:38359 )