ヨーロッパ在住で、8月6日にブリュッセルへ赴いたHDPのセラハッティン･デミルタシュ共同党首と会談するKCK（クルディスタン社会連合）の運営委員で、解党されたDEP(民主主義党)の元国会議員、ズュベイル･アイダル氏は、和解プロセスは終わっておらず、今も2月28日に指示された武装解除に従う意思があることを述べた。

「アメリカの声」ラジオのクルド語版で語ったズベイル･アイダル氏は、和解プロセスが終わっておらず、5月にレジェプ･タイイプ･エルドアンが交渉の席をめちゃくちゃにしたと主張。同氏はエルドアン大統領が「交渉の席、オブザーバー委員会、そしてクルド問題などというものはない」と発言したためにプロセスが停滞したとして、以下のように語った。

「この（発言の）後、委員会の会談は終わってしまった。HDPの訪問団が最後にアポ（アブドゥッラー・オジャラン）を訪問したのは4月5日だ。4ヶ月の間、我々はアポ党首からの連絡を受取ることができていない。連絡が重要なのは、プロセスを続け、運動のために声明を出すのは彼だからだ。それなのに全ての連絡手段が閉ざされてしまった。トルコ政府は戦争をするための口実を探していたのだ。もしアール県で兵士の一団が命を落とせば、政府はカンディルを攻撃すると決めていたのだ。このような一連の計画があった。 しかし、クルド人の運動は今日までこれを許さなかった。それなのに、今では衝突し合っている。」

■「今起こっている戦闘は、イスラム国に利するものだ」

ズベイル･アイダル氏は、和解プロセスを終わらせるつもりはなく、2月28日の武装解除指示に従うとし、以下のように話した。

「我々は、この合意に沿ってプロセスを継続することを望んでいる。しかし、政府は戦闘で利益を得ている。イスラム国と戦闘していると言っているが、これはごまかしだ。彼らは「イスラム国」と友好的関係を気づいている。皆知っているのだ。イスラム国と戦うたった一つの勢力は、YPG（民主統一党）とHPG（市民防衛軍）だ。政府は国内でHPG本部を爆撃した。これは「イスラム国」へ大きな協力である。現在の戦闘は国民の、そして中東の民衆のためではなく、「イスラム国」を利するための戦闘である。我々は、この問題を民主政治と平和によって解決したい。しかし、政府は戦争をしたがっている。彼らが我々を襲うなら、我々も自らを守るしかない。」

■「交渉の席に戻りたい」

アイダル氏は、政府関係者が以前のポジションを守っていることにも言及。2012年も大きな戦闘が起き、オジャランと政府代表団の会談後に和平プロセスが始まったことを話して以下のように続けた。

「今はというと、政府はオジャランとの連絡経路を閉ざしてしまった。我々は現在守りの体勢にいる。プロセスの継続のために、トルコが一歩を踏み出す必要がある。もし世界大国が問題の解決についてトルコへ圧力をかけたら、そのときは結果が出るだろう。
EUとその他の国々は二面的にこの問題を語っている。トルコへ「自衛しなければならない」と言っておきながら同時に「和解プロセスは継続すべきだ」と言う。この言説には意味がない。戦闘における両者の間で中立でなくてはならない。我々は衝突と戦いには与しない。我々は政府が交渉の席へ戻ることを求める。この戦闘は「イスラム国」との戦いに問題を与えている。この意味で、世界の大国が間に入る必要があり、双方と対話する必要がある。」

■「アメリカは、トルコとクルド人を一つのテーブルに集めるべきだ」

KCK執行委員のズベイル･アイダル氏は、ブリュッセルを訪れたHDP(人民民主主義党)のセラハッティン･デミルタシュ共同代表と何度も連絡を取っており、自らもデミルタシュ党首と会うことを述べ、アメリカへの要望について以下のように話した。

「我々はアメリカ議会とホワイトハウスに、クルド問題の解決のために平和を重視した役割を果たすことを求める。アメリカが『我々はトルコの友だ、NATOの盟友だ』というだけでは不十分だ。現在起きている戦闘は、クルド人とトルコの戦闘ではない。この戦闘は必要ないものだ、平和が必要なのだ。タイイプ･エルドアン大統領は、早期選挙のためにこの戦闘を起こしている。アメリカがこの事実を直視することを求める。我々はアメリカがトルコ人とどのような対話を行おうと、それをクルド人とも行うことを求める。
我々とトルコを交渉の席で隣に座らせるべきだ。こうすることで、我々はイスラム国との戦闘でもっと大きな役割を果たすことができる。アメリカにはこれを実現できる力がある」

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（ 翻訳者:矢加部真怜 ）
（ 記事ID:38377 )