共和人民党(CHP)のクルチダルオール党首は、CHPが提案した14の原則に沿って、親密な形で連立政権を築こうと努力したとして、倫理的に考えればダヴトオール首相は辞職するべきだと述べた。
CHPのケマル・クルチダルオール党首は、公正発展党(AKP)との連立交渉が決裂した後、「これまで我々に連立政権の提案はなかった。ただ選挙のための政権の提案があったに過ぎない。3カ月間必要な事柄に共同で取り組み、その後議会で選挙を行おうと言われた。トルコは歴史的な好機を逃したと思っている」と打ち明けた。
クルチダルオール党首は、12日にアフメト・ダヴトオール首相との会談を終えて党本部で記者会見し、次のように話した。
■14の原則を提示した
トルコの民主主義の歴史において、重要な日だ。総選挙で国民の意思は、一つの政党が単独で政権を握ることを認めなかった。残る選択肢は連立政権だけだ。我々は責任を果たすべきだと感じ、6月7日から間もなく6月15日に党本部に集まった。連立政権に向けて、党としての14の原則を決めた。今日までこの原則を否定した者はいない。7月13日にはダヴトオール首相が我々を訪れ、非常に充実した会談ができた。親しみと、理知的な奥行きがある内容だった。その席で私は、仲間とともに首相に申し上げた。「もしトルコが、問題を乗り越えられる政府を本気で望んでいるなら、我々は高い能力を備えた政府が築かれるべきだと考える。つまり議会でじゅうぶんな比率を占め、改革を進めることが出来る、必要とあらば憲法改正ができる比率を持っていなければならない。閉ざされた扉の奥で、表向きとは違う言動を取るようなことがあってはならない」と。ダヴトオール首相は「その方向で連立交渉を始めるつもりだ」と答えた。我々にとって大切なのはCHPという党ではなく、トルコという国だ。
■首相が少数派政権への支持を要求
ダヴトオール首相は、我々に2つの提案をした。これは選挙のための短期的な政権であり、連立を組むか、あるいは「AKPが少数派政権を築いたら、党外から支持してくれるか」と。私は「提案は承った。担当組織に知らせ、私の意見を伝えよう」と答えた。党のMYK(中央執行委員会)で2つの提案を協議し、ひとつの結論に達した。首相に初めに伝えた決定を改めて申し上げた。トルコは、少なくとも4年間連立を保ち、誠実と信頼で結ばれた政府を必要としている。
■トルコは歴史的好機を逃した
我々はこれまでに、連立政権を提案されたのではなく、選挙のための政権を提案されたのだ。3カ月間で必要な事柄に共同で取り組んだ後、議会で選挙を行おうと言われた。これはMYK(中央執行委員会)の決定にそぐわないものだ。国民の意思により政党間で票が割れ、単独与党が実現しなかった場合、政党のリーダーのするべきことは民意に敬意を払い連立政権を選ぶことだ。連立はできないので選挙を行う、などと言ったら国民の意思を一体どう考えているのか?トルコは歴史的な好機を逃したと思っている。
■政権樹立を支持していた
私は、トルコは火の輪をくぐり抜けたと話した。テロ、経済、あるいは海外情勢などだ。これらの問題全てが深刻化し、我々に大きな不快感をもたらしている。民意が必要とした連立交渉の結果、良い思考を持った政府の成立と、問題の解決を望んでいた。これは実現しなかったが、AKPとCHPの会談は私にとって非常に重要だ。AKPはあらゆる事柄についてCHPの意向を知った。彼らがどんなテーマを選ぼうと、我々は会談で腹を割って話した。このことは民主政治にとってプラスになったと信じている。希望を失わないでほしい。トルコは強力い国家だ。我々は国民を信頼している。今後の評価は偉大な国民に託そう。どんな評価を下そうとも、我々はそれを尊重するつもりだ。
■首相は辞職するべきだ
通例によれば、大統領は憲法に基づき最も票を得た政党に政権を任じた後、自身が議会で信任を得られる政権を築けなければ辞職する。これに反するのであれば、我々はこれを「権力どろぼう」と評しよう。これは民主主義や我々の慣習にそぐわない。信任を得られる政権を築けるなら何も言うまい。しかし信任は得られないが辞職しないというのは、倫理に反する。
■トルコの利益
理解し合えないテーマは何もなかった。大統領の影響力があったのか。この答えは世論とダヴトオール首相が出すべきだ。交渉では我々に何の制限もなく、それは問題とされなかった。やり直し選挙が行われるのだろうか。政治において24時間はとても長い。とりわけ再選挙が唯一の選択肢として示されるのは正しいとは思えない。
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( 翻訳者:川原田嘉子 )
( 記事ID:38426 )