■イスラエルのキリスト教学校が政府援助の削減に抗議
【ナザレ:アスアド・タルハミー】
イスラエルでは、新学期が始まる5日前だというのに、「家族学校」(キリスト教学校)に通う50,000人以上のアラブ人学生が、来月初日に学校が開くのかどうか未だに知らない。というのも、教育省がこれらの学校に対して、活動を停滞させるための政府経費削減を決定したことに抗議して、「キリスト教学校事務総局」が学校を開けないと脅迫しているからである。
これらの学校は国内で最も歴史が古いとされ、そのほとんどがフランス、イギリス、イタリア、また国内の聖公会、カトリック教会、正教会の教会や修道院から資金提供を受け、創立150年以上になる。学生たちの教育レベルの高さでも知られており、他のイスラエル系、ユダヤ系、アラブ系の学校よりも進んでいる。これらの学校で学ぶ生徒の内、アラブ人学生は4%に過ぎないが、アラブ人大学生の30%は同学校の卒業生である。
昨年まで、これらの学校は、予算の75%を政府による公立学校への割当資金でまかなっており、残りの予算を生徒の家族による月謝の支払いで埋め合わせていた。しかし、教育省は援助を25%にまで削減すると決定した。これついて学校責任者らは、生徒の家族が費用の4分の3を負担できないであろうことから、この決定が学校を閉鎖させようという政府からの宣戦布告であると見なした。
また3か月前には、数百人の生徒とその家族が、各教会や政党「統一アラブ・リスト」の代表らと共に、同決定に抗議するデモを教育省の前で行った。そして、キリスト教学校が、政府から100%の援助を受けているユダヤ教学校と平等の予算を得られるよう要求した。しかし、ナフタリ・ベネット教育大臣は、デモの代表団との面会を拒否し、担当局長に託すも、成果は上がらなかった。
他方、同局長は教会の間で次のように述べた。「キリスト教学校事務総局」は本件への介入を求めてバチカンに出向いた。これがきっかけとなり、イスラエルのルーベン・リブリン大統領は、同事務総局と教育大臣の仲介役を果たし、一昨日(24日)、同大臣、同省事務局長、パウロ・マルクッツォ司教を議長とする協議委員会の出席のもと、両者を自身の官邸で引き合わせた。
(後略)
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( 翻訳者:栗原利枝 )
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