前回の選挙から官界教訓を得る
2015年08月31日付 Zaman 紙

11月1日の選挙のためのカウントダウンが始まった。国会議員の立候補者になる予定の公務員たちの退職に関して認められる期間が今日で満了する。

しかし前回の選挙とは反対に、今回は政治とは非常に距離を置いている。退職した官僚の数はゼロに限りなく近いほど少ない。11月1日の選挙への無関心について最も重要な理由はというと、6月7日の総選挙で起こった悪夢である。6月7日の選挙で副大臣、事務次官、公的機関の長、総局長、大学学長を筆頭に何百人もの官僚が退職して、公正発展党から立候補した。しかし、政治のために決意した700人の官僚のうち数人しか当選しなかった。6月7日で痛い目にあった官僚は、11月の選挙のために退職しなかった。最近でもこの様子はほとんど変わらないと見られている。

■選挙ではまた連立になると見られている

官僚が11月1日の選挙のための立候補を控えているもう一つの理由はというと、連立政権への不安である。公正発展党の単独政権という期待が減ったため、官僚はもはや自分の態度を明確にしていない。6月7日の選挙の前はというと、全く反対の状況であった。ほとんどすべての高級官僚たちが、公正発展党を支持していることを示すために競って立候補していた。6月7日の選挙で公正発展党が単独政権とならなかったことは、官僚たちの空気を一変させた。我先に公正発展党支持者であることを示すために競い合っていた高級官僚たちは、現在は政治的な傾向を隠している。

他方、退職して公正発展党から立候補を考えている官僚たちには、選挙の結果連立政権が発足した場合、復職したとしても、それが継続的でないという不安を抱いている。連立政権で野党から選出された大臣のもとでは、公正発展党からの立候補者が仕事を続けることは容易ではないと思われる。このため、自分の職を守るという問題に直面している官僚たちは、今回は政治から距離を置いている。

11月1日の選挙で国会議員の候補者の顔触れがほとんど変わらないという見通しも、官僚たちの力を弱めている点の一つである。6月7日の選挙では、ほとんどす べての政党で現職が当選するだろうという見通しが支配的だった。公正発展党で3期目の議員が[4選禁止が解かれ]再度候補者になれることが[決まったことで]候補者候補争いも厳しくなっている一方、官僚たちのチャンスも無くなってきている。

■700人から数人が候補者に

官僚たちは、6月7日の選挙で候補者候補争いで残念な結果となった。立候補するために退職した何百人もの官僚たちからほんの数人が選出されうる位置で候補者リストに載った。公正発展党で上位候補者リストに載って当選確実と見られていた前財務次官のナズィ・アーバル、イスタンブル証券取引所代表イブラヒム・トゥルハン、税関事務次官ズィヤ・アルトゥンヤルドゥズは当選した。イスタンブル大学学長ユヌス・ソイレト、社会保障機構局長ヤディガル・ギョカルプ・イルハン、国営鉄道総裁スレイマン・カラマン、貸し付け・寮協会(KYK)会長レジェプ・カイマクジャン、メディア広告協会会長メフメト・アタライといった人々は候補者になれなかった。12人の副大臣のうち9人が候補者に選ばれなかった。公正発展党に殺到した大学長たちも同様だった。9人の大学長のうち2人は候補者となった。6月7日に起こった悪夢は、11月1日を前に影響を及ぼしている。官僚たちは、政界進出のチャンスを他の選挙まで待つことにした。

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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:38549 )