エジプト:議論を呼ぶデモ参加者のレバノン人女性の写真
2015年09月02日付 al-Hayat 紙
(from Egyptian web sites)
■デモ参加者のレバノン人女性の写真…「閲覧数獲得に一苦労!」
【ベイルート:ラナー・ナッジャール】
デモに参加する「レバノン人美女たち」、あるいは「レバノンの魅惑」の写真やニュースが炎上した。これらはエジプトのウェブサイトで「魅力的」などの見出しと共に報じられ、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上での冷笑や論争、また賛否両論の反応を巻き起こしている。すでに、両国民間での口論となり、マスキュリズムだ、セクハラだ、男性らしさが欠如している、モラルがないなどと批判し合っている。ピーク時には、二人のレバノン人女性がこれを、レバノン人女性の能力を過小評価し、「誘惑的な肉塊」と見る過度なマスキュリズムだと抗議する映像が広まった。
(中略)
2日間に渡り、両国の若者たちが面白がり、ゴシップへと形を変えていったこのような誹謗・中傷の波は、我々の国がマスキュリズムの病にどっぷりと浸かっていることを強調している。この病は、この地域で典型的と見なされてきた外見のあり方から、特に身だしなみや着こなしの面で自由になった女性が登場したことで引き起こされた。
(中略)
エジプト・レバノンの大半の知識人が抗議したこの一連のゴシップの輪が広がったきっかけは、多くのサイト「閲覧数」や訪問者を目的にエジプトのウェブサイトで広く配信されたニュースと写真である。その後、拡散させるのに良い材料と見た他の複数のサイトもそれを報じた。
エジプト・レバノンのウェブサイトが同様の行為をしたのはこれが初めてではない。イエロー・ジャーナリズムの価値基準は、「閲覧数」を追い求め、見出しやツイートを操作している。これは、サイトの訪問数やコメント数を増やすためで、職業あるいは人道的な倫理を無視している。今日、すでにアラブにおけるほとんどのウェブサイトにとっては、閲覧者数や訪問者数が、いかなる職業倫理よりも優先される価値となっている。
(後略)
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( 翻訳者:樋口菜乃葉 )
( 記事ID:38568 )