アレッポのスーク(市場)(Reuters)
■ライフラインの危機に直面するシリアの人々…迫りくる冬
【ムスタファー・アルーシュ】
シリアの人々は困難な日々を生きている。紛争に加え、ほとんどのライフラインが完全に不通になっていることに伴い物価が上昇しているのだ。それに含まれるのは電気、水、消耗品の値上げである。四児を抱える父であり、ハマーの教育部局職員として働く、サラミーヤ在住のハーリド氏は以下の通り話した。「水は十二日間止まり、十三日目に来た。電気に関していえば、配給制下にあり、二時間流れた後四時間止まった。時折日中に一時間もしくは三十分しか電気が来ない日もあり,二十四時間止まっていることもある。」
不動産屋のオーナーであり、サフナーヤに住むフサイン氏は次のように話した。「電気の配給(制度)は数年前に適用されたが、今年は最悪な年である。電気は一日に三時間しか来ないこともあり、停電に伴って一週間に一度しか来ない水道も止まってしまう。人々は水を給水車から購入することを強いられているが、そこでは一樽の値段は140シリアポンドだ。単純計算で、水を購入するためには公務員の給料の10%、発電機と照明器具を購入するためにもさらに10%支払わなければならない。また問題となるのは発電機を動かすのに必要となるガソリンや重油を確保することが非常に難しいということだ。こうした燃料は闇市でしか手に入らないのだが、そこでは灯油1リットル当たりの値段が350シリアポンドである。そのうえ、配給制に沿って供給されるべき時間帯に停電になっても、電力障害局は誰にも対応しないし、もし障害局のスタッフが故障を修理しに来たならば心付けを渡さなくてはならない。」
フサイン氏は以下のように続ける。「ネットワークもまたランダムに故障し、同じ住宅ビルの入居者の多くが電流を切断された一方、電気が流れた住民もいた。その理由は電気貯蔵室が電力消費の大きな負荷に耐えられず何本かのケーブルが燃えてしまったからである。」
同氏は水の場合について次の通り話した。「災難なことに、祖国防衛軍とバアス党の部隊が家庭用の共有水道管の上に水ポンプを設置してしまい、それによってほかの住民が水を得られなくなってしまった。もちろん、この問題について彼らと話ができる人は一人もいない。彼らは武装しているし、数年前からサフナーヤの水道局は、彼らのあからさまで止むことのない違反行為の前に無力である。そして彼らに不満を訴えるい勇気のある人は一人もいないのだ。」
(後略)
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( 翻訳者:川満友梨映 )
( 記事ID:38585 )