【ジャーメ・ジャム紙別冊タペシュ9面】
はじめに
テロ組織ダーイシュはイスラーム法及びコーラン原典の実現を目指していると主張している。しかし勢力範囲の拡大につれて、他の正統なイスラーム統治体制からかけ離れているだけでなく、コーラン原典とも親和性のない法律が、この組織によって徐々に導入されるようになってきた。
大学教授のジャヴァード・ミーリー氏はダーイシュの思想的基盤について、「ダーイシュの思想基盤はワッハーブ派に遡る」と説明している。以下でお読みになるのは、「タペシュ」がミーリー氏に行ったインタビューの内容である。
――これらの法律は、何らかの評議会によって編まれたものなのでしょうか。それともダーイシュの指導者〔=アル=バグダーディー〕が承認したものなのでしょうか。
まず指摘しておかねばならないのは、ダーイシュでは評議会が組織されているということである。この評議会はダーイシュ指導者らの監督の下、サラフィー主義の依拠する資料に基づき、過激な〔イスラーム法源の〕解釈によって、これらの法律を引き出しているのである。
――つまり、彼らは宗教に対する独自の理解を提示しているということですか。
私たちがターリバーンやボコ・ハラムといった過激な組織、あるいはテロ活動を伴うその他の組織について論じる場合、〔彼らが〕権力を握ったあと最初に耳にするのは、自分たちはイスラーム国家を立ち上げたいという内容である。しかし、その後どんなことが起こるだろうか。彼らがまず行うのは、数名の人物を処刑したり、断手刑を行ったり、投石刑を行ったり、といったことである。
果たして、イスラーム法学に基づくイスラーム統治体制の意味とは、こうしたことに限定されるものなのだろうか。否、決してそうではない。〔刑罰に関する〕これらの法規定が意味をもつのは、特定の状況が存在する時なのである。
つづく
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( 翻訳者:SK )
( 記事ID:38618 )