ハンガリーとトルコにおける難民問題への対処
2015年09月17日付 al-Hayat 紙
セルビア国境付近でハンガリー警察に対向する二人の難民(AFP)
セルビア国境付近でハンガリー警察に対向する二人の難民(AFP)

■ハンガリーとトルコにおける難民問題への対処

【ロンドン:本紙】

西ヨーロッパ到着を目指す難民/移民の前に立ちはだかる困難が増している。ハンガリーは有刺鉄線を用いて国境を閉ざし、それを越える者には重い刑罰を科すとしている。一方トルコ警察はギリシャ方面へ国境を越えようとする数千人に厳しい対応をとった。ドイツやオーストリアへの移動を続けるため力ずくでハンガリーへの国境を越えようと試みた者たちの間で昨日、衝突が起こった。ハンガリー警察は放水や催涙ガスによって、石や空のペットボトルを投げる人々を押しとどめた。ハンガリー領へ入ることに成功した367人の移民が逮捕され、裁判に送られたが、これらの人々は懲役または国外追放の刑罰に処される可能性のある容疑がかけられている。

このような例では初めての判決で、ハンガリー裁判所は昨日(16日)、不法に国境フェンスを越えた容疑のイラク人難民に対して追放を命じた。判決を下した裁判官は以下のように述べている。「この判決は、他の犯罪者予備軍に対する、このような罪を犯すべきでないというメッセージである」。

移民たちはセルビア・ハンガリー国境において、移民への対応が突然変化したことへの困惑をあらわにした。この対応の変化は、多数の負傷者を出した、初めてのこの種の衝突を受けたものである。

一方、トルコ国境でも状況は良いものとは言えなかった。ここでは移民の騒動が力で押さえつけられ、彼らがギリシャへと移動を続けることが阻まれた。雇用機会の減少により、ヨーロッパでのより良い生活を望む移民は近隣諸国への不法入国を余儀なくされているが、トルコはシリアとイラクの難民二百万人以上を受け入れており、この数は一国で受け入れている難民数としては最も多い。しかしながら、雇用機会の不足のため、少しでも良い生活を求めて難民は近隣諸国に不法出国し、さらにヨーロッパを目指している。

ハンガリー国境の封鎖に直面し、移民はクロアチアへと方向を転換した。クロアチアは西欧への移入容易にする用意を表明したが、移民たちの移動はドイツとオーストリアの国境における取り締まり強化に遭遇した。この取り締まり強化はドイツとオーストリア二国への難民流入のペースを遅らせるためである。しかしながら、このような困難にもかかわらず、移民の波が収まる見通しの立たない中、ハンガリーへの途上にあるギリシャ・マケドニア国境を越える数千に及ぶ難民の流入は続いている。

クロアチアのゾラン・ミラノヴィッチ首相はハンガリーの国境封鎖を批判し、「有害で危険」とみなした。同氏はまた、「壁を建設してもそれにより、誰も押しとどめることはできず、恐ろしいメッセージを送ることになろう」と述べた。一方で移民は、オーストリア国境での取り締まりの強化の結果、隣接するクロアチアとスロベニアで足止めを食らうのではないかという不安をあらわにした。

ドイツのアンゲラ・メルケル首相とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は移民危機解決法について議論した。しかしこれらの解決法は、シリアにおける危機の解決に焦点があわせられる中、達成は困難であると思われる。

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( 翻訳者:八巻葵 )
( 記事ID:38684 )