米連邦準備理事会利上げ見送り、トルコ経済ホッと一息
2015年09月18日付 Milliyet 紙

「アメリカの連邦準備制度理事会が9月に利上げする」との見通しで世界市場が動揺する中、金利変更の情報はなかった。トルコをはじめ、多くの国が安堵の溜息をついた。

特にトルコを含む発展途上国市場にとって重要な、注目の連邦準備制度理事会(FRB)の金利判断が明らかとなった。FRBは金利を据え置き現行の水準に留め置く決定をした。金利の現状維持は、近年の政情不安とテロで一層の為替上昇をおそれるトルコを一時的とはいえ安堵させることとなった。
2日間続いた米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合がトルコ時間の夕刻、終了した。会合後の報告で、FRBは金利を変更しないとする一方、最初の利上げをいつ行うかについての新たな指針には言及しなかった。また、アメリカの雇用データが経済の安定化を示しているものの、世界的な景気後退の懸念が依然、脅威として存在すると述べた。
FRBはFOMCの政策決定を反対1・賛成9で可決した。FRBメンバーのうち、7人は今年1回、5人は2回、1人は3回の利上げを期待している。最初の利上げを2016年に延期すべきだとするFRB関係者の数は、2人から3人へと増加した。

■年末の見通し

FRBの決定は、グローバル経済、特に最近、中国での不況の大きな影響があったことに注目する一方、低インフレ率と為替市場の不安定さもその他の要因としている。
専門家らは、特に中国経済の急激な失速の兆しが、投資家間の懸念を煽り、また原油価格の続落とドル高も思わぬインフレの低下をもたらしたとし、FRBが中国その他の市場展開を注視し始めたと述べている。また、FRBが中国での悲観的な展開を、国内市場の適正なインフレ率や失業率低下のデータよりも重要視していることにも注目している。
一方、2008年以来ほぼゼロ水準で来た最も重要な短期金利を、FRBは年末を待たずに必ず上げるだろうと考える専門家もいる。

■イエレン「中国が恐ろしい」

ジャネット・イエレンFRB議長は、グローバル経済の不透明さによる懸念が、金利据え置きに影響を与えたと述べ、「最近の国外の様子は次第に不明瞭化してきている。中国や他の発展途上国の経済成長にともなう不安の拡大が金融市場の不安定さをもたらすおそれもあった」と説明した。
イエレン議長は年末までの利上げ可能性についても明言を避けたが、利上げが今年の会合では毎回俎上に上るだろうと強調し、10月会合でも利上げの可能性はあるとして注目を集めた。FRB関係者らは12月に会合を持つことも明らかにした。また、インフレ抑制の力が薄まることを引き続き期待すると話し、「直近のグローバルの展開は、おそらくインフレの減速を招く」と語った。

■利上げで何が起こるところだった?

今日まで、途上国をはじめ多くの国々にハイリターンを求めてやって来た資金が、一旦「安全域」として知られるアメリカに戻るおそれがあった。トルコ内の国際資本の急速な撤退にも繋がるおそれもあった。

■1ドル3リラを下回る

トルコを含む発展途上国を安堵させる「利上げしない」とのFRB談話を受け、夜の市場では一時1ドル3リラを下回った。談話以前は3.0020リラだったドルは、談話後には2.9747リラまで下落した。
ユーロ・ドル為替は、1.1340ドル水準から1.4102ドルまで上昇した。金はFRBの金利決定後にオンスあたり1,130.30ドルに上昇した。
金利の決定前のBIST100インデックスは、昨日一日で1.12%上昇し、74,980.56ポイントで終了した。株式市場は今日も値上がりが見込まれている。国際市場の金は、FRBの決定前のオンスあたり1,118.25ドルからの進行を見ている。

■利上げの恐怖は終わらない

FRBの決定前、信用格付け会社のムーディーズはレポートを公表し、FRBの利上げ可能性が途上国にとっての「ボラティリティ」となり、トルコも最もリスクの高い国のひとつだと強調した。
ムーディーズは、利上げ可能性は米経済の回復基調を示しており、それに対して国外投資家に依存しすぎている発展途上国は波乱の環境に陥るだろうと述べた。
レポートではFRB短期金利が25BPS上昇した場合、最もリスクのある国として、ブラジル、ロシア、トルコ、南アフリカを挙げた。ムーディーズは、アメリカの利上げの影響は国によって異なると強調し、通貨安で輸出面ではメリットがあることも指摘した。

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( 翻訳者:貝瀬雅典 )
( 記事ID:38688 )