11月1日総選挙各党名簿発表―意外な人は?
2015年09月19日付 Hurriyet 紙


公正発展党(AKP)はヒュッリイェト紙に対する襲撃を指揮したイスタンブル県出国会議員のアブドゥラーヒム・ボイヌカルン氏を候補者として提示せず、トゥールル・チュルケシュ氏を擁立した。民族主義者行動党(MHP)では、メラル・アクシェネル氏が候補者リストから外れた。共和人民党(CHP)では、今回もウムト・オラン氏の名前が無かった。

AKPでは3期目にあたる24名の候補者がリストで提示された。経済的参謀役であるアリ・ババジャン氏やメフメト・シムシェキ氏もこの中に含まれる。6月7日総選挙で当選したウール・ウシュラク氏やオスマン・ジャン氏、ムフスィン・クズルカヤ氏、そしてヒュセイン・ヤイマン氏はリストから外れた。ダヴトオール党首の側近からは6名がリストに入った。

CHPにおいては、6月7日総選挙のリストから大きな変化があった。各県で前回よりも1人多く当選させるために計画されたという。新たにリストに加わった人物らにより、まずはHDPに入れられた票を取り戻すことが優先とされ、さらには黒海地方や民族主義者らからの得票増加も目的とされた。前モースル総領事であるオズチュルク・ユルマズ・アルダハン氏が擁立された。

バフチェリMHP党首は、国会議長の候補者として名前が挙がった際に「もしその立場が頻繁に利用されるようなことがあれば、その任期は無効だ」と反発を示したメラル・アクシェネル氏をリストに入れなかった。オクタイ・ヴラル氏やトゥールル・チュルケシュ氏がAKPから立候補することについては、「これはかつての『ギュネシ・モーテル』が新たに『アク(白、正義など)・モーテル』のモデルとなったことを示したかったようだ」とコメントした。

HDPは、ゲズィ公園でのデモ活動で亡くなったエテム・サルシュリュク氏の兄であるムスタファ・サルシュリュク氏をアンカラ県から候補者として擁立した。今回のリストでは、労働党(EMEP)の決定を受けてダヴトオール氏からの入閣申し出を断ったレヴェント・チュゼル国会議員や、同性愛者を公表したバルシュ・スル氏が候補者から除外された。

■AKPの11月1日総選挙に向けた調整

6月7日総選挙での敗北は、AKPがその5ヶ月後に実施される早期選挙に向けた準備段階で国会議員候補者リストに大きな変化を与える要因となった。AKP党大会で始まった大統領宮殿の影響力は、これらのリストにも反映されている。タイイプ・エルドアン大統領と彼の側近らは、候補者リストに「微調整」を加えた。AKPが前回の総選挙では気にも止めていなかった数人の人物や、党の重役である年長者らを、地域や県のパワーバランスを視野に入れつつ新たに擁立した。

単独政権の復活と、6月7日総選挙での40%という得票率の増加を目標に据え、危機対策室を設置した大統領宮殿は、東部並びに南東アナトリアにおける12の県とイスタンブル県での候補者を一人ひとり精査した。党本部では新しい中央決定運営委員会(MKYK)によって構成された上位組織が、アフメト・ダヴトオール首相が参加した取り組みでリストの概要を用意していたが、同時に大統領宮殿の危機対策室チームの元へもこの情報が伝えられた。党本部で用意されていたこの構想段階のリストは、大統領宮殿で確定リストとなった。ダヴトオール首相はコンヤにとどまった。

■ババジャン氏に不意打ち

前回の総選挙で3期規定に該当した党の年長者らの一団が、今回のリストでは再び名前を連ねた。大統領府と首相府で度々議論となった経済的指導者であるアリ・ババジャン氏は、不意打ちでの候補者リスト入りとなった。ババジャン氏は、アンカラ県で擁立された。解決プロセスの建築担当からはヤルチュン・アクドアン氏が、アリ・ババジャン氏の次にリスト入りしたことが注目された。

■長老らがリスト入り

ジェミル・チチェキ氏もアンカラ県から立候補することがわかった。ベシル・アタライ氏はヴァン県、タネル・ユルドゥズ氏はカイセリ県、ハヤティ・ヤズジュ氏はイスタンブル県、ムスタファ・シェントプ氏もイスタンブル県、シュレイマン・ソイル氏はトラブゾン県、レジェプ・アクダー氏はエルズルム県、メフメト・シムシェキ氏はガーズィアンテプ県、ヴェイセル・エロール氏はアフヨン県、メフメト・ミュゼズィノール氏とエフカン・アラ氏は共にブルサ県、オメル・チェリキ氏はアダナ県、ビナリ・ユルドゥルム氏はイズミル県、ヌレッティン・ジャニクリ氏はギレスン県、メフメト・アリ・シャーヒン氏はカラビュク県、メヴリュト・チャヴショール氏はアンタルヤ県、ヴォルカン・ボズクル氏はイスタンブル県、ヌマン・クルトゥルムシュ氏はオルドゥ県、そしてイスメト・ユルマズ氏はスィヴァス県からそれぞれ立候補することとなった。

ビュレント・アルンチ氏やヒュセイン・チェリキ氏、ニハト・エルギュン氏、サドゥッラー・エルギン氏、そしてニメト・バシュ氏らの名前は、今回のリストから除外された。これらの人物は、全員が候補者申請をせず、さらには党からの要請もなかった。候補者申請を行ったベシル・アタライ氏は、選挙区をクルクカレではなくヴァンに変更された。前環境都市整備相のイドゥリス・ギュッリュジェ氏は、今回リストから外れた。また、前家族社会政策相のアイシェヌル・イスラム氏も、政界と別れを告げた人々の一人となった。

■ファルク・チェリキ危機

これらのリストが高等選挙委員会(YSK)に提出される数時間前、国会ロビーではファルク・チェリキ氏がブルサ県ではなくウルファ県から候補者として擁立されることに異議を唱え、候補を辞退するというニュースが飛び交った。チェリキ氏は説得を受け、ウルファ県の候補者リストに残った。
AKPの青年部部長であり、ヒュッリイェト紙で編集長らを脅迫したことが記事となったイスタンブル県出のアブドゥラーヒム・ボイヌカルン国会議員は、今回のリストから外れた。「国会に寝に来ているわけではない」という発言後、党本部で寝ている写真が公開された歌手のウール・ウシュラク氏も、6ヶ月間の議員生活であった。解決プロセスで知性派と呼ばれたヒュセイン・ヤイマン氏も、短期間で政界に別れを告げた。AKPが解決プロセス関連で候補者として擁立したムフスィン・クズルカヤ氏も、それから6ヶ月後にはリストから消えた。

■興味深い人物

レファフヨル時代の大臣の一人であり、統一財団の理事であるイスマイル・カフラマン氏が数年のブランクを経て政界に復帰した。MHPのデヴレト・バフチェリ党首に対し、「それらすべての泡が隅々まで慎重に消されるような新しいプロセスが始まる」と発言したタイイプ・エルドアン大統領の元顧問であるアイドゥン・ウナル氏が、今回のリストでアンカラ県からの候補者として提示された。HDPに投票した人々に対し、「殉教者らの罪はHDPに投票した不誠実な有権者らのもとにある」と発言したイズミル県出のヒュセイン・コジャブユク国会議員も、今回リスト入りした。6月7日総選挙で3期規定に該当したゼイト・アスラン氏も、再びトカト県の候補者となった国会での乱闘で頻繁に名前があがり、女性記者に対して「私もあなたの足の間を写真に撮れたら」と発言したアスラン氏が、リストに名を連ねたのだ。
イスタンブル県から立候補するだろうと主張されていたアフメト・ダヴトオール首相は、コンヤの選挙組織から反発を受けて再度選挙区を選び直した。ダヴトオール首相の側近であるタハ・オズハン氏はマラトゥヤ県、エルタン・アイドゥン氏はアンカラ県、アリ・サルカヤ氏はイスタンブル県、ヴェダト・ビルギン氏はアンカラ県、アドゥナン・ボイヌカラ氏はアドゥヤマン県、そして経済主席顧問のエミネ・ヌル・ギュナイ氏はエスキシェヒル県から立候補する。

■MKYK(中央決定運営委員会)には在籍するも候補者リストには入れず

MKYKメンバーの一人であるカイセリ県出ヤシャル・カライェル国会議員がリストから外れた一方で、その息子のエムラフ・カライェル氏がカイセリ県からの候補者となった。大統領宮殿で顧問を務めるビュレント・ゲディクリ氏も、MKYKには在籍するもリストには入らなかった。MKYKのメンバーの内、エディベ・ソゼン氏、アレヴ・デデギル氏、アスマン・エルドアン氏、メティン・ドアン氏、そしてセルチュク・オズチュルク氏も候補者から除外された。

■53名が国会に別れを告げた

6月7日総選挙で国会議員に当選した258名の内、53名が国会議員候補者リストから除外された。それらの人物は以下の通り。
サドゥッラー・クサジュク氏(アダナ)、ハリル・ウリュン氏(アフヨンカラヒサル)、レムズィイェ・スヴァジュ氏(同)、ムヴザト・パルタ氏(アクサライ)、メフメト・サドゥム・アタイ氏(アイドゥン)、イスメト・ス氏(ブルサ)、オンデル・マトゥル氏(同)、ジャヒト・バージュ氏(チョルム)、メフメト・ユクセル氏(デニズリ)、ビラル・ウチャル氏(同)、シェムセッティン・エミル氏(エディルネ)、シュアイ・アルパイ氏(エラズー)、セルピル・ブルト氏(同)、タルハ・エロル・ドゥルマズ氏(エルズィンジャン)、アドナン・ユルマズ氏(エルズルム)、サリフ・コジャ氏(エスキシェヒル)、トゥルハン・アルチェリキ氏(ギレスン)、ケマレッティン・アイドゥン氏(ギュムシュハーネ)、メフメト・アルアン氏(ハタイ)、レジェプ・オゼル氏(ウスパルタ)、イドゥリス・ギュッリュジェ氏(イスタンブル)、オスマン・ジャン氏(同)、アレヴ・デデギル氏(同)ヒュセイン・ヤイマン氏(同)、エトゥヘム・トルガ氏(同)、セヴィム・サヴァシェル氏(同)、オズレム・ゼンギン氏(同)、アブドゥラーヒム・ボイヌカルン氏(同)、ウール・ウシュラク氏(同)、ムスタファ・アフシン・ヤズジュオール氏(同)、ジェミル・シェボイ氏(イズミル)、セヴデ・ベヤズト・カチャル氏(カフラマンマラシュ)、オスマン・カフヴェジ氏(カラビュク)、メフメト・ウチュム氏(カルス)、ムスタファ・ギョクハン・ギュルシェン氏(カスタモヌ)、アフメト・ドアン氏(カイセリ)、ヤシャル・カライェル氏(同)、ケマル・テクデン氏(同)、ハッヴァ・タライ・チャルシュ氏(同)、カーン・キョクサル氏(クルクカレ)、ハムディ・ウルマク氏(クルクラーレリ)、ジェマレッティン・カフル氏(コジャエリ)、リュヴェイデ・ギュルセレン・ウシュク氏(コンヤ)、ムスタファ・ムハッメト・ギュルタク氏(メルスィン)、ムフスィン・クズルカヤ氏(同)、ハサン・キョクテン氏(ムーラ)、イフサン・シェネル氏(オルドゥ)、アイシェヌル・イスラム氏(サカルヤ)、アリ・インジ氏(同)、セイプ・エユプオール氏(シャンルウルファ)、マズハル・バール氏(同)、ハミデ・シュリュジュ氏(同)、ファトゥマ・ガイェ・ギュレル氏(トカト)

■男性481名、女性69名の候補者

AKPのベキル・ボズダー副党首は、党の国会議員候補者リストをYSKに提出する際、候補者の内訳が男性481名、女性69名であることを明かした。ボズダー副党首は、「今回の総選挙では、3期規定に該当する24名の友人らが擁立された。6月7日総選挙で当選し、候補者として擁立された友人らの内、312名が再び候補者となった」と話した。

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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:38693 )