バグダードの国内避難民用キャンプ(AP)
■イラク人避難民キャンプに犠牲祭なし
【アンバール:ウスマーン・シュルシュ】
クルド人自治区アルビール県郊外にある「ヒルシャンム」キャンプに犠牲祭を祝う雰囲気はない。同キャンプでは避難民約299世帯が生活を営み、そのほとんどはニーナワー県から逃れてきた。「ダーイシュ(IS)」が同県を掌握した後、犠牲祭を迎えるのはこれが2回目であり、以前の状態に戻るのは絶望的である。避難しなかった人々については、同組織により、犠牲祭を祝うことや、何百年も前から犠牲祭の慣習となっている墓の参詣が禁じられた。
「悲惨な生活だ」。警察機関に勤めていたムハンマド・ジュブーリー氏はこの表現をもって本紙に対し話し始めた。「犠牲祭は、(人々の)心が傷ついた状況下のキャンプにおいて全く存在しない単語だ。食べ物や衣類など、犠牲祭を祝うために準備する機会が貧困のせいで奪われた」。また、「人道支援団体が子供たちに衣類を提供したが、みんなそれを断った。子供たちは最優先のものは食料だと言ったのだ」と指摘した。
この供述は、救援諸組織が広く活動する、治安が安定した場所でのキャンプ生活の実態を反映している。本紙は、アンバール県とサラーフッディーン県で治安が不安定な諸地域の様子を報道するため、現地に向かった。
避難民のハルドゥーン・クバイスィー氏は言った。「私たちはファッルージャ市から逃れてきた。バグダード県かクルド人自治区に行くのに失敗したため、ハーリディーヤ市に住むことにした。(失敗したのは)我々の健康状態が衰弱していたためである」。また、「政府が給料や給付金の支払いを止めたため、同市にいる世帯(2,000世帯以上)の大半は困窮している」と加えた。
(後略)
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( 翻訳者:樋口菜乃葉 )
( 記事ID:38740 )