EU委員会、トルコに重大決定
2015年10月16日付 Milliyet 紙

ジャン=クロード・ユンケル欧州委員会委員長は、ビザの自由化*¹を加速することでトルコと合意した、と発表した。

ユンケル委員長は、「トルコとEUとの間でビザの自由化を加速することでトルコと合意した。但しこれは、基本的要件を変更するということではなく、トルコのために別の要件を設けることではない。2016年春に進捗を取り扱う」と述べた。


難民危機を議題に集ったEU首脳サミットで、トルコと基本方針の合意に至った。これによると、ビザの自由化を加速させ、難民に対する財政支援が行われ、EU加盟に関する新たな項目に関し交渉が開始される。

EU首脳は、ブリュッセルで難民危機につき話し合いを行った。トルコ時間17:30に開始されたサミットは、約7時間続いた。サミット後、欧州理事会のドナルド・トゥスク議長は、難民危機について、最終合意に関し「慎重に楽観視」していると述べた。

トゥスク議長は、EUの対外国境管理に関する複数の重要な決議を行ったと説明し、「現在の難民危機に対し、トルコ・EU間で合同行動計画を採択したことを 好意的に受け止めている。トルコ側の指導者と先週のブリュッセル、アンカラ、ニューヨークで行った粘り強い交渉は、トルコからEUへ渡る難民の流れを緩やかにすることを目的としており、行動計画は、この意味で重要な取り組みだ」と述べた。

トゥスク議長は、トルコと交わす合意が難民の流れを緩やかにすれば意味をなすと述べ、その他採択した決議の1つが、欧州対外国境管理協力機構 (FRONTEX)の責務の増加であると話した。トゥスク議長は、国境管理に関し合意に至ったことは大きな成果だと強調し、来年2016年に発生する難民の流れに対する準備、難民が最初に入国したEU加盟国で難民申請を行う、と規定しているダブリン協定の今後や、難民登録センターについて話し合われた、と述べた。

■ 「我々に支援を、我々もあなた方を支援します」

トゥスク氏は、トルコとの最終合意に達したことに関する質問に対し「我々の提案を準備した。トルコからは、しっかりとした判断に基づく適当な回答を待っている。等価交換の原則が問題とされている。言い換えると、「あなた方は我々に支援をお願いします、我々もあなた方に支援を行います」。非常に明快である」と語った。

■ 「ビザの自由化は加速する」

EU委員長のジャン=クロード・ユンケル氏は、レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領とブリュッセルサミットで会談したことを想起させ、「今朝方、トルコと欧州委員会との間で合意がなされた。今晩も、サミットで基本方針の合意に至った。本合意の目的は2つ:難民がトルコに留まること、そして、トルコから欧州への渡航阻止。これがもたらされた」と評価した。

ユンケル委員長は、今後、財政支援に関する話し合いを継続すると述べた。同委員長は、トルコとビザの自由化に関する質問に対し、「本件については、はっきりさせたい。トルコと我々との間でビザの自由化を加速することで合意した。但しこれは、基本的要件を変更するということではなく、トルコのために別の要件を設けることではない。2016年春に進捗について取り扱う」と話した。ビザの自由化と難民危機をこうして明確に関連付けた、とも同委員長は述べた。

■ 「新しい項目に関して交渉が開始される」

アンゲラ・メルケル独首相も、EU各国による難民対応の支出に関し、トルコへの30億ユーロ支援に着手したと述べ、「リーダー達は、トルコのEU加盟プロセスの活性化、新しい項目に関する交渉開始に合意した」と述べた。同首相は、難民に関する対処事項が山積みであると述べ、「(全く上手くいかなかった)と言うことは出来ない」との評価を行った。

■「トルコの支援は不可欠」

サミットで採択された決議の枠組みで、難民の送還、国境管理により強い権限が与えられるFRONTEXが行った発表では、最近9ヵ月でEU内に71万人の難民が入国したとされた。EU加盟国は、全部で16万人の難民を加盟国に割り当てる措置に合意したとはいえ、まだたった19人しか定住に繋がっていない。 EU各国は、問題に対する永続的な解決には、トルコの支援が不可欠と捉えている。

*1…EU域内を旅行するトルコ人のビザ免除のこと

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( 翻訳者:山根卓郎 )
( 記事ID:38921 )