パレスチナ:アッバース大統領の声明
2015年10月16日付 al-Hayat 紙
イスラエル軍による家宅捜索の後、自分のおもちゃを探すパレスチナ少年(AFP)
イスラエル軍による家宅捜索の後、自分のおもちゃを探すパレスチナ少年(AFP)

■アッバース大統領の声明はイスラエル人の怒りをかい、多くのパレスチナ人を失望させた

【ラーマッラー:ムハンマド・ユーニス】

パレスチナ人とイスラエル占領軍各部隊との衝突が勃発して2週間以上が経過した後、マフムード・アッバース大統領は水曜日(14日)から木曜日(15日)にかけての夜に声明を発表した。同大統領の支持者は、その演説は政治戦略上の転換と捉えたが、しかしそれはイスラエル人を怒らせ、多くのパレスチナ人を失望させるものであった。

イスラエルのネタニヤフ首相はアッバース大統領に攻撃をしかけ、これは扇動であるとし、「アッバース大統領の声明は嘘と扇動であふれている。」と述べた。また、同大統領が地面に横たわり血を流している子供、アフマド・マナースィラの写真を掲げ、イスラエル人がパレスチナ人を現地で殺害しているとして非難したことに対し、ネタニヤフ首相は批判を向けた。さらに、同首相は「この子供はハダーサ病院で治療を受けており、アッバース氏が主張するように殺されたわけではない。また、この子供は自転車に乗ったユダヤ人少年を襲撃し、その直後に負傷した。」と述べた。

また、パレスチナ側では多くの人々がパレスチナの新たな政治的な動きの方向性を示していないとして、アッバース大統領の声明を非難した。作家のハーニー・マスリー氏は、「この声明は非難を招き、堂々巡りであり、選択肢に欠けるものである。」と述べた。さらに、作家のジャミール・ヒラールは、「アッバース大統領は、自身の伝えたいことに従って全ての人々が納得できる明確さを持たない声明を発表した。」と述べ、パレスチナ側の攻撃に対する非難もなければ、支持もなかったと指摘した。

(後略)

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( 翻訳者:谷藤瑞季 )
( 記事ID:38925 )