エルドアン大統領、今度はノーベル平和賞を批判―W20開会式
2015年10月16日付 Cumhuriyet 紙


レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領は3〜4万人の難民受入れを表明した人たちがノーベル賞候補とされたと述べた。「トルコには250万人の難民がいるが、このことは誰も気に留めない。なぜならノーベル賞は政治的なものだからだ。ノーベル賞がどうやって授与されるか、多くの人は知っていることでしょう。ノーベル賞は注文に応じて与えられるものだ」と述べた。

レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領はグランド・タラビヤホテルで開催されたW20サミットの開会式で演説した。シリア難民やノーベル賞、EUなど様々な話題に触れたエルドアン大統領の演説の要旨は次の通りだ。

「溺死したアイランちゃんのような事態に至るまで世界はこの難民問題に目を向けないつもりだったのだろうか。アイランちゃんがボドルムの海岸に打ち上げられてから、このアイランちゃんの写真を雑誌の一面に掲載し始め、「何が起きているんだ」と言い始めた。それはいいが、私たちはもうずっと前から声を上げ続けているのだ。トルコには現在220万人のシリア人がいる。イラク人は30万人だ。つまりトルコは現在250万人の難民を抱えているのだ。彼らのために既に80億ドルを支出した。世界からどんな支援があっただろうか。4億1700万ドルだ。
そして非常に面白い事態が起こっている。難民受入れに言及する人がいるのだ。「3〜4万人の難民を受け入れよう。そうすればノーベル賞の候補者になるだろう・・・」と。トルコには250万人の難民がいるのに、これに関して誰も何とも思っていない。なぜならノーベル賞は政治的なものだからだ。ノーベル賞がどうやって授与されるか多くの人は知っている。ノーベル賞は注文に応じて与えられるのだ。つまりそれに見合うかどうかといったことは問題ではない。しかしこれらは片付くだろう、このままでは行かない。」

■「なぜトルコをEUに入れないのか」

西洋の安全保障と独立性はトルコの安全と独立にかかっている。このことは今では皆が認めた。ブリュッセルでの会談では皆が「トルコなしではだめだ」と言う。トルコなしではだめならば、なぜ我々をEUに入れないのですか。問題は明らかだが公になっていない。はっきりとなぜ入れないのかを示せば、世界で自分たちが全く別の立場に置かれることが分かっているのだ。『NATOでは間違いだったとため息をついている。だがEUで同じ失敗はできない。』不満はここから来ている。現在のEU加盟国の多くは、我々と比べてEUの法規範から見て非常に遅れている国である。我々はほとんどの国々より進んでいる。経済においてもコペンハーゲン基準から見ても、かなりの先進国だ。しかし残念ながら誠実な対応をしてもらえない。」

■「健康においては世界で模範となる国の一つだ」

健康面でも非常に重要な進展があった。現在トルコは健康においては世界の模範となる国の一つだ。5年計画で建設した市立病院により、―これは世界では非常に重要な改革であるが― つまり、市民が病院内に入れば、もはや道端や、担架に載せられてたらい回しにされる病人を見ることはない。すべての治療を病院の中で受けることとなる。これは世界でもそうあることではない。トルコは患者を世界に送り出す国から抜け出し、反対に患者を国内に受け入れる国となるだろう。

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( 翻訳者:南澤沙織 )
( 記事ID:38934 )