「白いトロス車」論争続く
2015年10月21日付 Hurriyet 紙
白のトルス車
白のトルス車

アフメト・ダヴトオール首相はヴァン県での集会で「公正発展党(AKP)が政権の座から退けばここでテロのギャング或はかつてのように白いトロス車が彷徨することになるだろう」と述べたことで始まった論争が続いている。

■ケマル・クルチダルオール党首

ケマル・クルチダルオール党首はアイドゥンで話し、首相の言葉に触れた後、以下のように述べた。「非常に多くの未解決事件を明らかにするために国会に多数の調査依頼を提出した。望むべくはその依頼書がAKPの国会議員らによって承認されることである。政府によって承認され、未解決事件を一緒に調査しよう。そしてトルコを民主主義の恥から救おう。しかし残念ながら我々が持ち込んだ全ての調査依頼はAKPの国会議員らにより却下された。未解決事件を捜査することを却下するという考え方は未解決事件を止めることにはならない。問題の核心はここにある。」

■共和人民党(CHP)のハルク・コチ副党首

CHPの広報担当者のハルク・コチ副党首はCNNトルコで生放送に参加し、質問に答えた。そして彼も「白いトロス車」論争に参加した。コチ副党首は102名の市民が亡くなったアンカラ駅の自爆テロ攻撃を指摘し、「未解決の殺人事件が象徴的意味において用いている。我々はそうした事件を明らかにするために何度も提案をしてきた。これらのひとつとして適切に解明できたのか。これを問わねばならない。そしてよろしければ、白いトロス車、商業用 タクシーに触れよう。今日自由に、まさに追尾が必要なテロリストらが、シリア国境からキリスへ、そしてアンカラへ、バラガト地区で豪華な朝食を摂り、そこからアンカラ駅前まで来ている。親愛なる、 首相よ、白いトロス車はひとまず置いて、この商業用タクシーを問題とすべきだ。脅して地位には就けない」と述べた。

■セラハッティン・デミルタシュ党首から「白いトロス車」への解答

民族主義者行動党(MHP)会派副代表のイズミル選出オクタイ・ヴラル国会議員は、同議題について今日以下のように述べた。

「これは国民への脅迫と言える。つまり実際に一国の首相が、AKPが政権を握っていないと、白いトロス車(に乗ることになると)市民を怖がらせていることは、この前に『400名の議員を下さい。このことを平和裡に解決しなさい』と述べた思考が反映されている。さて、尋ねたい。白いトロス車をどこで準備したのか。運転者は誰なのか。誰に向けて混沌とした状況を作ろうとしているのか。誰に対して圧力をかけようとしているのか。あなた方が退けば、盗聴、追尾、レッテル付けするグループもなくなる。あなた方が退けば違法な金の亡者がいなくなる。あなた方が退けばクルディスタン労働者党(PKK)もなくなり、イスラム国(IS)もなくなる。あなた方が退けば自爆テロもなくなる。メディアへの圧力が終わり、市民は真実を知る。AKPが法治国家で首相を通じてまさに市民を怖がらせるギャング団を成しているのを認めているようなものだ。市民を恐れさせ、怖がらせ、脅迫して、単独政権を築こうとしているへと進んでいる。『400人の議員を下さい、憲法を変えよう』と言う人々は、今トロス車で脅迫することで単独政権とせよと脅迫している。これは深刻なことである。白いトロス車をどこで使ったのか。PKKと会った時、カンディルに暗号付きの電話を送った際に、クルディスタン社会連合(KCK)と会った時、この白いトロス車を使ったのか。首相がマフィアのリーダーのように、ギャングのボスのように、この言葉を使ったことからわかることは、AKPが唯一恐れていることが、6月7日[総選挙]で自身に向けられた罰がさらに大きくなることだ。こうなれば、トルコで社会的・政治的安定性が作られる。」

■白いトロス車が都市から町へと向かった

人民の民主主義党(HDP)のフィゲン・ユクセキダア共同代表はシュルナク県で行ったスピーチでアフメト・ダヴトオール首相を批判し、次のように述べた。「さて、脅迫で票集めをしているのが誰かを見で、記憶したいのなら、アフメト・ダヴトオール首相の昨日の話しを聞いて記憶しなさい。この国の首相殿が我々の 目の奥を覗き込んでヴァン県で脅迫により票を集めている。当局に通報する。誉れある、誇りのある検察官、裁判官はいるのか。首相は行った、ヴァン県のど真ん中で人々を白いトロス車で、軍警察諜報・テロ対策機構(JITEM)を使って脅しながら、もしAKPを政権の座から引きずり下ろすならと。ここではJITEMが攻撃し、活動している。白いトロス車が通りで徘徊していると言った。目の奥を覗き込んで脅迫で票を集めるための試みがあった。」

■ムハレム・インジェ

CHPヤロヴァ選出の国会議員ムハレム・インジェ氏はCHPの人々と行った会議でこの問題に関して以下のように述べた。「『未解決の殺人事件の被害者となる』と言う。ヴァン県出身の人々を脅迫している。恐怖を撒いている。私は彼にマラトヤから回答する。ダヴトオール首相よ、問題は白いトロス車ではない。問題は黒いメルセデスのほうだ。問題は1億8500万ドルで購入した飛行機だ。問題は大臣らが着けている70万リラの腕時計のことだ。労働者の150リラの電話を問題にしている。しかし、身近にいる大臣の70万リラの時計は気にしていない。あなたはどのような良心をお持ちなのか。」

■ダヴトオール首相から新しい声明

論争が昨日から今日まで続いていることに対して今朝方アフメト・ダヴトオール首相に「白いトロス車」に関して質問があった。ダヴトオール首相は「白いトロ ス車」が90年代の地域のシンボルのうちの一つであり、未解決事件に触れたとし、「言いたいのは以下のことである。未解決事件をこの国でAKPが終わらせた。白いトロス車あるいはテロの蔓延・影響力をAKPが終止符を打った。誰にも脅迫などしていない。しかし以下のように言った。一部の人びと、戦争を仕掛ける者、テロを仕掛ける者、このテロを仕掛ける者に援助を受ける人々、90年代の白いトロス車でもって思い出される層は、実のところ互いにほぼ支援し合う層である。一部の人の存在が他の存在を醸成している」と述べた。

■もはや村落のみで…

東部および南東部における1990年代の未解決事件、処刑、拉致で使われ、昨日アフメト・ダヴトオール首相がヴァン県で行った「AKPが与党から降りたら、ここでテロ・ギャングあるいはかつてのように白いトロス車が徘徊する」という発言で再び話題となった白いトロス車は、すでに都市部であまり使われておらず、現在は村落で使われている、と伝えられた。

非常事態宣言の時期に地域で多数の未解決殺人事件で使用され、違法な処刑・拉致で絶えず話題となった「白いトロス車」がもはや地域で、都市部でほぼ全く使われていないこと、寧ろ町から離れた村落に住む人々によって使われていることが明らかになった。トロスは1989年に生産を始め、2000年から生産していない。そして、あらゆる土地の条件で使用でき、かつコストのかからない車であるため、1990年代から2000年代の間に非常に好まれた車であったという。ディヤルバクル県にある一部の自動車展示室で今も売られている車の価格は5千から1万の間である一方で、車が村落で積み荷を運ぶ際にあるいは整備されていない道を走る際に調度良いため、より選ばれていることが分かった。

アフメト・ダヴトオール首相が昨日ヴァン県で行ったスピーチで、「AKPが与党の座から退けば、ここでテロ集団、或はかつてのように白いトロス車が徘徊する」という発言に地域からの反感があった。CHPのディヤルバクル県第一位の国会議員候補、ナジ・サパン氏は「首相、ヴァン県で行ったスピーチで、全ての地域を間接的にクルド人を脅している。首相は90年代の例にとって、未解決殺人事件の容疑者の立場にあるトロス車を例に挙げ、「我々を選ぶか、あるいは死」と言いたがっている。市民を脅迫し、平和を得ることはできるのか。それは無理だろう。そもそも最近の状況も良くはない」と述べた。

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( 翻訳者:満生紗希子 )
( 記事ID:38962 )