ラジオ・テレビ高等機構(RTÜK)の国民の民主主義党党(HDP)の割り当て分から選出されたメンバーのエルスィン・オンゲル氏は、トルコテレビ・ラジオ協会(TRT)がこの25日間に関しエルドアン大統領と、それぞれの政党に割いた時間を明らかにした。
オンゲル氏が明らかにした統計によると、TRTの放送では公正発展党(AKP)に30時間、エルドアン大統領に29時間、共和人民党(CHP)に5時間、民族主義者行動党(MHP)に1時間10分、HDPには18分が割り与えられた。
TRTも含んだ匿名の12のテレビ局の生放送では、エルドアン大統領には138時間、AKPには238時間、CHPには21時間、HDPには6時間分の時間を割いたことを明らかにした。
■MHP党首バフチェリ氏は反発
MHPのデヴレト・バフチェリ氏は、昨日26日にアンカラの北東部のチャンクルで政党やNGOに対して行ったスピーチでTRTを批判した。
バフチェリ氏は、「TRTを近くから見張っています。ただAKPの2人の閣僚や2人の国会議員候補者を日通しテレビ画面に映し続け、人々と直接触れ合う勇気もない者たちを、さも人々の家にいるかのように、人々と触れ合っているかのように示そうと努力しています。つまり、TRTも政権交代の手段と考えられる。TRTの今日の状況を我々は受け入れることはできません」と述べた。
■大統領選挙
HDPの共同党首のセラハッティン・デミルタシュ氏は、大統領選挙でのTRTの放送時間を批判した。大統領選挙の期間には、TRTはニュースでエルドアンに 8時間2分、メレッディン・イフサンオール氏に2時間53分、セラハッティン・デミルタシュ氏に1時間24分の時間を割いた。
■TRTに大きな罰
高等選挙委員会(YSK)は大統領選挙期間における報道に対して、TRTに歴史上で最も大きな罰を科した。同委員会は、大統領選挙の期間にエルドアンの報道を3日で5時間26分行ったTRTトルコに、ほかの候補者の放送をほとんど行わなかった理由で、7つの番組を停止する罰を科した。この罰でTRTに停止命令が下った番組は25を超える。
■各チャンネルに一人の専門家がついている
RTÜKのCHPの割り当てから選出されたメンバーであるイスメット・デミルドエン氏は、選挙期間において各チャンネルが注意深く視聴されていることを明らかにしながら、「これはRTÜKの負担をかなり増加させています。たとえば選挙期間の始まった8月31日から現在までに我々はYSKに97のファイルを送りましました。これを行う一方で同時に、120あるチャンネルが保存されているデジタル記憶・解析システムアーカイブ(SKAAS)を我々は利用しています」と述べた。選挙期間にRTÜKのチャンネルに関するファイルをどのように用意したか、またYSKにどのように送ったのかを説明するデミルドエン氏は、要約すると以下の様に述べた。
■500のチャンネルが保存される
「チャンネルごとに一人の専門家がついて、視聴しています。テレビ視聴の専門家はこのソフトウェアを使用してシステムにアクセスします。希望の日時の放送をこのシステムから抽出し、視聴します。そのあとに放送に違反があればその件に関する報告書を用意し、この報告書は高等機構の議題に上ります。放送の中に違反があればその部分を録画し、会議で視聴し我々が決定を下します。SKAASの3つのプロジェクトが議題となっています。このプロジェクトによって 500のチャンネルが同時に保存されることになり、これにはHD放送も含まれます。
■RTÜKは選挙期間に事務局として機能
もちろん、選挙期間にはより多くのファイルがYSKに送られますが残念ながら、RTÜKは選挙期間中には事務局として機能しています。放送を見て、違反があったかなかったかを投票します。しかし違反があってもなくてもファイルをYSKに送ることが必要です。決定を下すのはYSKだからです。つまり我々が違反があると言っても、YSKは「ない」と言うことができますし、我々がないと言っても「ある」と言うことができます」
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( 翻訳者:松井友紀 )
( 記事ID:39000 )