トルコ、ロシアを国際法廷へ提訴―天然ガス供給問題
2015年10月27日付 Hurriyet 紙

トルコは、ロシアとの間で天然ガス価格値下げの合意が得られなかったことを受けて、昨日国際法廷に提訴した。ロイター通信に情報を提供したエネルギー関係者は、「ロシアのガスプロム社と長い間会議を続けてきたが、期待された進展が見られなかった。昨日、国際法廷に提訴し、おそらくそこで決定がなされるであろう」と述べた。

■正式調印には至らず

トルコとロシアの間では、2015年1月1日より適用される天然ガス価格値下げに関して合意が得られたのにもかかわらず、正式調印には至っていなかった。ロイター通信は6月27日付の記事で、一週間以内に調印が行われなかった場合、BOTAŞ社(石油ガス・パイプライン輸送株式会社)はガスプロム社に対して国際法廷への提訴権が生じ、トルコはこれを行使するだろうと報じている。

■プーチン大統領は昨年値下げを発表

ロシアのウラジミール・プーチン大統領は昨年12月のトルコ訪問で、トルコに天然ガスを追加供給すること、そして1月1日以降は6%の価格値下げを行うことを述べ、「この方向で協議は続けていく」と発言した。プーチン大統領はまたその際、新しいパイプラインについて、トルコに新しいラインを建設する可能性があるとし、「ギリシャ国境のトルコ領土おいて、未来の天然ガス供給中心地として、南欧からの顧客の要望に応えることができる」と発言した。トルコとロシアの間のターキッシュ・ストリームプロジェクトはまだ着工されていない。

■アラボユン大臣「昨日付で仲裁裁判所に提訴した」

エネルギー天然資源省のアリ・ルザ・アラボユン大臣は、カラデニズ・ホールディングが建設した「カラデニズ・パワーシップ・アイシェギュル・スルタン」と「カラデニズ・パワーシップ・ゼイネプ・スルタン」の発電船2隻の、ガーナとインドネシア行きの水進式に参列した。
トゥズラ造船所で催された式典後、アリ・ルザ・アラボユン大臣は記者たちの質問に答えた。

アラボユン大臣は「ロシアと国際仲裁に持ち込むのか」との問いに以下のように答えた。
「我々は価格が高い旨を伝えた、これについては譲れない。そのため値下げを求めていた。当初、この値下げはロシアと合意が得られた。しかしながら交渉が終わっていたにも関わらず、契約書の定める期限内にこの合意は調印されなかった。我々は規定期間内に提訴しなければならないが、それはこの契約が定めている。我々は昨日付で法廷に提訴した。我々に約束される値下げが、ヨーロッパの価格と平等になるよう要求した。おそらく今後は国際仲裁が判決を下すだろう。実は、ここ1ヶ月の間、文書を(ロシアに)度々送っていたが、返答がなかったため、我々も我々に与えられた規定期間内に裁判を起こすことにした。つまり、今我々は天然ガス問題においてロシアと国際仲裁関係にある。 」

■「我々はロシアにとって優良なクライアントであり、ロシアも我々にとって優良なサプライヤーである」

アラボユン大臣は合意に至らなかったことは天然ガスに影響しないと述べ、こう語った。
「過去にも様々な問題が起き、仲裁に持ち込まれ和解となった。ここでもし期待されている形で和解すれば問題は解決される。これによるガスの供給ストップがあるのか、ないのか・・・という数多くの噂や思索が巻き起こっているが、そのような混乱を引き起こしてはならない。そもそも我々は現在、ロシアからこちらの付け値よりも高い価格でガスを購入しており、仲裁の結果が出るまで我々はこの価格で買い続ける。法廷で勝利した後も、過去の清算は利息分と罰金分として回収される予定だ。現在もロシアとの合意に沿って、2021年までは西ルートから、そして2026年までは青ルートから天然ガスが供給される。我々はロシアにとって優良なクライアントであり、ロシアも我々にとっては優良なサプライヤーである。この件でロシアとの間で問題はない。しかしながら話し合いが物別れに終われば、国際仲裁に提訴するのは我々の当然の権利である」と発言した。

■「これは司法を尊重する決定である」

また、コザ・イペキ・グループの管財人の任用について質問を受けたアラボユン大臣は以下のように述べた。
「これらは司法プロセスの領域である。何ヶ月もこの件に関して司法に基づいて動いている。これは司法を尊重する決定であり、我々の関与するものではない」

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( 翻訳者:小幡あい )
( 記事ID:39002 )