■エジプト:シナイ上空でのロシア機墜落の惨事の犯罪捜査
【カイロ:ムハンマド・サラーフ、モスクワ:ラーイド・ジュブル】
昨日(10月31日)未明、シャルムッシェイクからサンクトペテルブルクへ向かっていた旅客機「エアバス321」号の墜落の惨事で、ほとんどがロシア人観光客である乗客224人が死亡、エジプトの「イスラーム国(ダーイシュ)」支部が直ちに犯行声明を発表した。犯行声明は、シリア政権軍を支援したロシアの軍事介入への報復として、シナイ半島上空で「十字軍」が搭乗する航空機を墜落させたと主張している。
しかしながら、エジプトは、航空機墜落の背景には技術的欠陥の可能性があり、即座にこの犯行声明の信憑性に疑念を示した。撃墜を行ったとするこの犯行声明は真実ではないと述べたモスクワ当局も、このエジプトの見解を支持した。ロシア政府は、日曜(1日)、追悼の意を表して「犯罪捜査」を開始、航空会社本部の捜索を行い、関係文書を押収した。土曜未明、シャルムッシェイクから離陸して23分後、アリーシュからわずか数十キロの地点で急降下するまでの間に、墜落した飛行機に乗っていた乗務員との通信は途絶えた。
エジプトのアブドゥルファッターフ・スィースィー大統領と電話で会談したロシアのウラジミール・プーチン大統領が、ロシア国内の悲嘆を伝え、事故の原因特定に向けた調査の開始を求める一方、非常事態省は、犠牲者の捜索と航空機の残骸回収活動の応援、また現場付近で発見されたブラック・ボックスの内容の分析にあたりエジプト当局を手伝うため、現地に5機の飛行機を派遣した。航空局は7人の乗務員に加え、17人の子供を含む217人の乗客名簿を発表した。
ロシアの調査委員会は、航空局の専門家たちが、この事故は突発的に起こった技術的故障の結果と見ているにもかかわらず、「あらゆる仮説」を検証すると発表した。これは特に、シナイ半島が、ダーイシュに忠誠を誓うものを含めたテロ集団が活発なことで知られており、航空機が破壊工作に遭ったという懸念を受けたものである。
(後略)
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( 翻訳者:石川みのり )
( 記事ID:39031 )