レバノン:ヌスラ戦線との交渉成立
2015年12月02日付 al-Hayat 紙
ラブワで解放された兵士三人、あごひげを剃る前(AFP)
ラブワで解放された兵士三人、あごひげを剃る前(AFP)

■レバノン、ヌスラ戦線との交渉成功を受けてダーイシュとの交渉準備

【ベイルート:本紙】

レバノンは、ヌスラ戦線との交渉を成立させたことで、シリア危機の国内波及によって過去数年にわたり直面してきた苦境の1つを乗り越えた。交渉はカタールが仲介・保証した捕虜交換で、2014年8月2日から3日にかけて、アルサール村でレバノン軍がヌスラ戦線及びダーイシュの戦闘員と交戦していた間、同戦線に拉致された16名の兵士が解放された。

この交渉には、レバノン側による女性5名を含むイスラーム主義者の捕虜13名の釈放、アルサール丘陵地隊におけるシリア難民への援助、そして村や近隣の病院にけが人と病人を搬送するための継続的な安全経路の開放が盛り込まれた。

また交渉には、レバノン側の要請に基づき、シリア当局によるヌスラ戦線が交渉条件に求めた多数の女性囚人釈放が含まれた。治安筋が本紙に語ったところでは、女性囚人には、同戦線のカラムーン地域司令官であるアブー・マーリク・タッリー氏と近い関係にあるサマル・ヒンディー氏が含まれている。

一方、交渉に居合わせた情報筋によれば、「彼女は数ヶ月前、アルサールにおいて、捕虜交換の人員として逮捕された。彼女はヌスラ戦線の指導者と同じ村の出身であり、彼女の逮捕は、交渉プロセスを早める上で役立った」。

これと同時に、ヌスラ戦線が昨年処刑したレバノン軍兵士のムハンマド・ハミーヤ氏の遺体が引き渡されたことで、大きな喜びがレバノン人、とりわけ軍関係者の間に拡がった。彼らは16ヶ月もの間、相手側の要求に応じることで仲間の身柄が引き渡されるよう求めて活動を続けていた。現在も、指導部との交渉チャンネルを確定できない中、ダーイシュの拘束下にある軍人9名の家族が耐え難い苦痛を受けている。ロイター通信によれば、レバノン総合保安局長官であるアッバース・イブラーヒーム少将は、「レバノン政府は2014年8月以来、拘束されている軍人9名の解放に向けてダーイシュと交渉する用意がある」と述べた。

(後略)

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:高寺葵 )
( 記事ID:39302 )