イラク:イラク政府の合意の下、米軍特殊部隊がシリア国境に展開
2015年12月23日付 al-Hayat 紙
ラマーディへ向かうイラク軍(al-Hayat)
ラマーディへ向かうイラク軍(al-Hayat)

■バグダードはイラク・シリア国境付近でのアメリカ軍特殊部隊の展開に合意

【バグダード:ブシュラー・ムザッファル】

アメリカ率いる有志国連合は、シリアから来るダーイシュの支援を遮断するための米軍特殊部隊の展開について、イラクが同意していると主張した。また、有志国連合の戦闘機はモースルのダーイシュ車列を標的とし、掃討した。

有志国連合のスティーヴ・ウォーレン報道官は、バグダードにある大使館で開かれた記者会見の中で、「ハイダル・アバーディー首相はイラクでの米軍特殊部隊の展開に合意した」と述べた。同報道官によれば、「特殊部隊展開の目的はイラク・シリア間のダーイシュの支援を遮断すること」で、「同部隊はイラク政府と連携して極秘任務を遂行、これに取り組む」と説明した。

また同報道官は、「有志国連合はこれまでイラクとシリアで9,000回以上の空爆をダーイシュに対して実施した」と付言した。更に「うち6,000回の空爆はイラクの同組織に対するもので、その結果、同組織の構成員数千人を殺害、数十の建築物と車両を破壊した。またこれによって、同組織の支配地を40%減少させた。そして、「イラクとシリアにおけるダーイシュの石油資源の90%を破壊した」と明らかにした。

同報道官はラマーディー解放について、「イラク軍は米兵ではなく地元警察と連携してラマーディーを解放するだろう。有志国連合の役割は空域に限られる」と述べた。また、「数百万のイラク人を抱えるモースルの戦いは最も重要」で、「イラク治安部隊は同地解放計画を用意している」と指摘した。

また、「我々はあらゆる行動をイラク政府の同意の下で取っている」とし、有志国連合の空爆によって死亡したイラク兵について、「有志国連合はアンバールでの兵士を狙った事件で真相解明を進めており、このための委員会が設置され、調査が終われば結果を報告するだろう」と述べた。同委員会には「イラク人が参加」しており、「全ての空爆はイラク側との協議の上でなされ、これまで互いに誤爆したことはなかった。なぜなら我々は共通の敵の破壊に献身しているからである」と指摘した。

地上では、ペシュメルガ部隊の担当官が、モースル東部を標的とした有志国連合の空爆で、多数のダーイシュ構成員が死傷したと述べた。また「無人飛行機が、バアシーカ地方のダラーウィーシュ村からモースル内部へ向かう途中の武装した6台の四輪駆動車と2台のトラックからなる車列を爆撃し、隊列を破壊し中にいた人々を殺害した」と説明した。

また、治安情報筋が報じたところでは、「戦闘機がモースルに隣接するカラーマ工業地帯の拠点を破壊した。同拠点は、ダーイシュが武器や物資貯蔵のために使っていたが、攻撃によってそれらは完全に破壊され、爆壊撃計画のために拠点に集まっていた多数のダーイシュ武装兵が死亡した」。

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( 翻訳者:熊谷真結子 )
( 記事ID:39463 )