イスラエル:政府が強制する教科書にアラブ・コミュニティが抗議
2015年12月26日付 al-Hayat 紙
クファル・カースィム村のアラブ人学校(AFP)
■教育省がアラブ人に「イスラエルのユダヤ性」を強調した教科書を強制
【ナザレ:アスアド・タルハミー】
イスラエル教育省は、アラブ人高校生向けの「市民権」をテーマとする新しい教科書に対し、アラブ人コミュニティにおける教育問題フォロー委員会、並びに大学教員らによる広範な抗議の壁が立ちはだかっているにもかかわらず、その教科書をヘブライ語からアラビア語に翻訳し、アラブ人学校に対してその使用を義務付けることを公式に発表した。また教科書とともに、教師用に民主主義の専門用語が解説された特別な冊子も配布する。
抗議した人々は同省の頑固さを、「アラブ人の問題を完全に無視して、同生徒に国家のユダヤ人主義を押し付け、民主主義よりも国家のユダヤ人を重視する試み」で、イスラエルは「ユダヤ人の国家」だと何度も繰り返していると述べた。大学教授の1人が強調したように、これは「アラブ人を社会の隅へ追いやる」ためのものである。
「アラブ公共高等フォローアップ委員会」と「アラブ教育問題フォローアップ委員会」は、2週間前に抗議の文書を同省に送り、その中で、アラブ人学校が新しい教科書を以下の理由から拒否すると発表した。「新しい教科書は内容が劣悪で、ユダヤ教右派グループの考えと方法に則って、イスラエルがユダヤ人の国だと強調している」。同様に、その本は生徒にシオニズム教育と議論となっている国家の基本的定義を課すものである。そして、教科書と冊子に対して出された本質的な意見を完全に無視したものだと述べられた。両委員会は、アラブ人の生徒及び教師専用の、国家、文化、教育にかかわるアラビア語の新しい教科書を要求した。
教育省の専門諮問委員会メンバーであるアムル・イグバーリーヤ氏は、アラブ人の教師と学生を挑発する刺激的な無視に抗議して、ついには辞表を提出した。同氏もまた、新しい教科書を「専門性や政治性、またイデオロギーの面で不公平で誤っている」とし、その内容に対する意見は完全に無視されたと批判した。
(後略)
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( 翻訳者:柳井丈司 )
( 記事ID:39484 )