コラム:ダーイシュ、難民、メルケルの人道主義に揺れた2015年の欧州
2015年12月30日付 al-Hayat 紙


■2015年、揺れる欧州:ダーイシュ、難民、メルケルの人道主義

【ブリュッセル:ヌールッディーン・ファリーディー】

2015年のヨーロッパを振り返ると、ギリシア・マケドニア間の国境から、有刺鉄線が張り巡らされたフェンスがあるハンガリー、さらにはクロアチア・セルビア国境を越えてミュンヘンの鉄道駅まで、難民が行列を作る光景が溢れている。

2015年はヨーロッパの政治的表明の諸矛盾に満ち溢れている。その矛盾は、基本的な亡命の権利の価値を尊重するドイツを筆頭としたヨーロッパの大多数の国と、移民と難民への敵意を露わにすることを躊躇わない東欧諸国の一団を分かつ実態を明らかにした。後者の国々は、ハンガリーの首相が何度も強調したように、「欧州におけるイスラームの脅威」という幻想を口実としている。

また2015年は、11月18日にパリを血まみれにしたテロ攻撃がヨーロッパを揺るがした。同攻撃では130人の無辜な市民が殺され、芸術やおしゃべり、サッカー観戦における自由を享受しに集まった数百人が負傷した。

フランソワ・オランド仏大統領はテロリストらの計画について、「彼らはシリアで訓練し、一部がベルギーで準備をし、パリで実行した」と要約した。同大統領はこれとともに、5年に渡る破壊的戦闘が続くシリアの「外国人戦闘員」問題によって(今般のようなテロ攻撃が)引き起こされるという、数年前から予測されていた影響についてまとめた。

(後略)

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:田中大輔 )
( 記事ID:39522 )