■若者間のハラスメントと薬物乱用…教育の危機
【ヒバ・アリー・ハーフィズ】
大学というドームの下(構内)で、そしてそのキャンパス内で最近「セクハラや薬物乱用」のような好ましからざる現象が広がっている。これは、エジプト社会の成長と発展の土台と見なされる大学生の思考が崩壊したことを示す危険な兆候である。こうした現象が広がっている原因は何か、そしてこれらの悪しき現象を取り除くための有効で可能な方策は何か?
大学生から見たハラスメントの原因とそれをどう取り除くかについて、カイロ大学文学部2回生のアミーラ・ガラールさんはこう語った。主な原因は若者に宗教的制約がないことである。さらに、彼らは何をしても許されるような間違ったしつけで育てられ、相手の女性が自分の母親や姉妹、娘であったらということは考慮に入れないのだ。
彼女は次のように続けた。こうした現象を取り除くには、正しい宗教の理解の上に成り立った家庭で、イスラーム法上許されることとそうでないこと、神を畏れることを子供に教えて、健全に育て抜く必要性について、家族が気づかなければならない。続いてメディアの役割がある。メディアは画面を通じて放送されるものが選ばれることが前提で、衛星放送局は間接的に若者を導くという大きな役割を持つ。
またアイン・シャムス大学法学部4回生のアフマド・アリーさんはこう語った。彼は、薬物乱用やハラスメントといった悪しき現象を行うことに若者がどのような楽しみを見出しているのかと自問するが、答えなど無く、ハラスメント撲滅の基本的な解決策や抑止力は、これを取り締まる法を制定し、数年の禁固刑を課すことだと考えている。
大学生の間で公然と薬物乱用やその取引が広まっていることに関して、ヘルワン大学商学部1回生のシャリーフ・アリーさんは以下のように語った。若者は薬物の使用で、健康への害を忘れ、男らしさが増すと感じている。これは大学では普通のことになり、驚くことも罰則もない。このため若者の間にこの現象が急速に広まっている。だから私は大学の事務局に、キャンパス内での学生の監視強化と、薬物使用や喫煙を発見したら罰則を課すよう求めている。
大学教員や専門家の意見に関して、カイロ大学の女性に対するハラスメントおよび暴力撲滅センターの事務局長であるマハー・サイード博士は次のように強調する。各大学にはハラスメントという「現象」はなく、ハラスメントという「状況」があるのであって、いまだ「ハラスメントする側」からその原因を取り上げた科学的研究はない。他方、「ハラスメントされる側」からの研究はいくつかある。多くの場合、原因は非科学的なもので、例えばハラスメントする側の教育の欠如や社会現象化、その他非科学的なものや、理由が示されていないものもある。
同博士は、現在ある科学的研究の準備が進められていると付言した。これは「ハラスメントする側」からの原因、それが行われる場所、ハラスメントする人のタイプ、教養、居住環境、動機を特定するためだ。これらの答えなしに我々はハラスメントの科学的根拠を知ることができない。なぜならハラスメントする人の年齢には大きなばらつきがあり、子供、学生、大学教授など多岐にわたるからだ。
(後略)
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( 翻訳者:増田まい )
( 記事ID:39562 )