共和人民党(CHP)のケマル・クルチダルオール党首は、同党の第35回通常党会議で、「第4の革命」と名付けた新たな政治路線を10項目からなるマニフェストで明らかにした。クルチダルオール党首は、発表した民主主義マニフェストをともに実現することをアフメト・ダヴトオール首相にも呼びかけた。
CHPの第35回通常党会議で選出された党議会(PM)は、最初の会議を昨日(22日)行った。クルチダルオール党首は、PMの開会スピーチで、トルコでは自由民主主義が形成されていないと述べ、「第4の革命、自由民主主義の革命が必要である」と述べた。クルチダルオール党首は、CHPはこの方向で責任を負う準備があると述べ、ダヴトオール首相に「我々は準備が出来ている。あなた方も準備が出来たら来てください、民主主義をともに実現しましょう」と呼びかけた。
クルチダルオール党首が説明した10項目のマニフェストは以下の通り。
1.民衆に説明する
棍棒を持った国家を我々は望んでいない。人々に答える国家を望んでいる。21世紀のトルコに中世の国家を望んではいない。適切なときに人々に奉仕する国家を望んでいるのだ。その国家を維持するために税金を支払うのはこの国民なのだから。この国の利益に奉仕してくださいとこの税金を支払っているのだから。法の優位を信じる法治国家を望んでいる。同意いただけたら、どうぞ一緒に。
2.一級の民主主義
我々は多くのクーデターを経験した。絞首台で政治家たちが処刑され、クーデター派が自分たちの法律を発布しクーデター法を作った。一級の民主主義を望むのならば、非常に明確なことだ、クーデターの法からトルコをきれいにしましょう。さあ、この国に一級の民主主義をもたらし、クーデター法を改正しましょう。
3.司法の独立
誰も司法を信用していない。かつてこの国には公正があった。今は「この国には公正がある」という者はだれもいない。我々は公正を持たない宮殿を作った。だれが司法をこのような状態にしたのか。さあ、司法を独立させましょう。司法の内部で司法自身を裁くことがないようなメカニズムを作りましょう。
4.国民の意志
選挙法と政党法を改正しよう。我々の前にある障害はなんだろうか?国民の意志と我々は呼んでいるが、あなた方は国民の意志の前になぜダム(得票率制限)を設けているのか?トルコ大国民議会(TBMM)の上には後見の制度が覆いかぶさっている。国民の意志が後見で覆われていていいのだろうか?さあ、廃止しましょう。
5.思想の自由
あなた方は民主主義と言いつつ、自分の思想を明かした人々を弾劾する。自分の考えを説明できないということは、自分の理性を裏切ることになる。どうして文明化された世界の一員となれようか。私の考えにあなた方が賛同しないということはあり得ることなのだ。我々が常識と呼ぶ概念を強化する方法、つまり様々な総合の仕方が現われることが必要なのだ。
6.自由な報道
メディアが自由でない国において、民衆は自由ではない。民衆が情報を得るチャンネルを塞いだということだ。市民はうわさ話やひそひそ話で情報を得るのか?「憲法にいう三権(行政・司法・立法)に次ぐ4番目の権力はメディアの自由だ」と言おうではないか。ある報道を禁止すること、ある世界の見方を禁止することは、21世紀のトルコにはふさわしくない。
7.社会的な和解
30年に渡る問題がある。社会の和解によってこの問題を解決しましょう。国民の意志の中心地と呼び、憲法制定会議と言っているが、我々は30年間問題を解決できていない。なぜこの国で血が流れ、なぜ毎日犠牲者が出るのか、なぜ問題が選挙戦の道具という状態にされ、その目的で使われるのか?宛先も、場所も、方向も我々は述べた。あなた方に力があるならば、座って対話し、問題を解決しましょう。
8.信教の自由
政府は全ての市民に平等に振る舞わなければならない。信仰やアイデンティティがなんであっても…。私ははっきりと明確な呼びかけを行っている。さあ、宗教と内心の自由を憲法で保証しましょう。望む人が望むままに考えることができる。望むことを信じることができる。禁止によって国は成長しないし発展しない。さあ、これらを変えましょう。
9.人間本位の国家
21世紀の国を野蛮な資本主義に引き渡してしまうことはできない。国の経済が金利収入の上に成り立つことはできない。人間本位の国家の理解がある必要がある。社会的な国家とは、権利と公正を守る政府である。
10.自由な大学
我々の大学は知識を生み出さない。知識を生み出さない大学は大学とは呼べない。テレビのトークショーに登場するような若者は、高校時代に、小学校時代に知識を生み出している。我々は大学が知識を生み出すことを妨げている。大学であらゆる考えが自由に議論されない場合、その大学は知識を生み出すだろうか?
■エルドアン大統領に3日間の「胃痛」のプロセス
クルチダルオール党首は、エルドアン大統領の「この人物の本当の胃痛も公表しよう。だがこれらの問題を話すことを恥じているということを信じてほしい」という言葉に言及し、「私は貴方に(3日後の)火曜日に全て1つずつ書類で返答する。はっきりとかつ明確なあらゆる書類で明らかにしよう。彼にも言っているが、胃痛を感じないでください、その火曜日までに説明してください、我々も学んでおきましょう。説明しないのであれば火曜日には答えがわかるでしょう」と述べた。
■会議の若手たち
クルチダルオール党首は、PMでの演説の後、党の伝統に従って最年少のメンバーたちを会議に招いた。イスタンブル選出のエレン・エルデム議員、PMに新たに選ばれたエムレ・チャム氏、セラ・カドゥギル氏が会議に座った。若手グループからPMに入ったエムレ・チャム氏は、イズミル選出のムーサ・チャム議員の息子で、フランスのストラスブール大学法学部の2年生であり、28歳。カドゥギル氏は1984年生まれ、イスタンブル大学法学部を卒業し、2014年にPMに選ばれた。
■風に逆らって歩む男
クルチダルオール党首は先日死去したCHPトゥンジェリ選出カメル・ゲンチ元議員をナーズム・ヒクメトの「風に逆らって歩む男」の詩で偲び、「医師たちは数時間以内に亡くなるだろうと言い、そのとおりになった。直立の人物で、もっとも色彩に富んだ政治家の1人だった。ナーズムの風に逆らって歩む姿勢があるだろう、彼も政治において風に逆らって歩んでいた。我々の痛みに絶え間なく様々な意味が加わり痛みを継続させるかもしれない。ウウル・ムムジュ氏と同様に、彼のこともいかなる時も忘れることはできないだろう」と述べた。ケマル・ゲンチ氏のためにこの日の14時にカルタル・ジェムエヴィで葬儀が行われる。ゲンチ氏の葬儀は明日トゥンジェリ・ジェムエヴィで10時に、ナズィミイェ・ジェムエヴィでは12時に行われる式典の後、彼の遺志に従ってラマザン村に埋葬される予定だ。
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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:39720 )