ヨルダン:国王はヨルダンがシリア難民受け入れの限界を迎えたと警告
2016年02月03日付 al-Hayat 紙

■ヨルダン:アブドゥッラー2世国王、ヨルダン人は「沸点」に達したと警告

【ロンドン:本紙、ロイター】

ヨルダンのアブドゥッラー2世国王は昨日(2日)、同国への数十万人のシリア難民移住による困難をうけ、ヨルダン国民が「沸点(我慢の限界)に達した」と警告した。

同国王は昨日(2日)、明日木曜日(4日)に開催されるシリア支援国会合に参加するためロンドンに到着する前に、英国放送協会(BBC)に対して、この大移住はヨルダンの社会サービス、インフラ、経済を強く圧迫し、中東地域の安定を脅かしていると述べた。そして、ヨルダンが難民を受け入れ続けると期待してきた国際社会に対し、もっと(同国の事情に)配慮するよう要求し、「私が思うに、遅かれ早かれダムは決壊するだろう」と警告した。

国連は来年にシリアとその隣接国にいる2,250万人の救援活動援助のため、支援国に対して総額77億ドルの拠出を求めた。しかし支援国は、2015年に国際機関が要求した総額29億ドルのうち43%しか拠出しなかった。ヨルダンは国連に登録された460万人のシリア難民のうち63万5千人を受け入れている。ヨルダン政府によれば、他に100万人のシリア人が同国内に滞在しており、中には2011年のシリア紛争発生以前から移住していた人々もいる。

アブドゥッラー2世国王は、シリア人の移住によってヨルダン人は苦しみ、政府は難民支援に国家予算の25%を費やしているが、これが公共サービスに強い圧力をかけヨルダン人の雇用機会不足に拍車をかけていると述べた。そして、以下のように続けた。「ヨルダン人の心理は沸点(我慢の限界)を過ぎた。この移住は我々を傷つけ、教育・保健制度に悪影響を与えている。ダムは遅かれ早かれ決壊するだろう。ヨルダン人にとって今週は、国際社会がシリア難民だけでなくヨルダン人の将来も支援するかどうかを見るための決定的(非常に重要)な期間となるだろう、と考えている」。

(後略)

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( 翻訳者:佐藤早於里 )
( 記事ID:39791 )