パレスチナ:米アカデミー賞候補者への賞品、パレスチナ人らの怒り呼ぶ
2016年02月10日付 al-Hayat 紙
受賞候補のひとり、米俳優レオナルド・ディカプリオ
■米アカデミー賞候補者への賞品、パレスチナ人らの怒りに火をつける
【ロンドン:本紙、AP】
今年度の「アカデミー賞候補者への賞品」がパレスチナ人らの怒りに火をつけた。代表的な受賞候補者らには、イスラエル政府から「イスラエルへのツアー」が賞品として贈られるのだが、パレスチナ人らはこの賞品を「賄賂」だと表現している。
毎年二月あるいは三月にロサンゼルスで開催されるアカデミー賞授賞式の主催者らは、主要部門の受賞候補者に対し、さまざまな賞品が入った20万ドルに及ぶギフトバッグを贈呈するのが慣例だ。中身の一部を報じた英『インデペンデント』紙によれば、ギフトバッグには「イスラエルへのツアー(5万5千ドル)」「15日間の日本ウォーキングツアー(4万5千ドル)」「一年間無制限のアウディ車レンタル権(4万5千ドル)」「レーザーによる肌の引き締め治療(5,300ドル)」「リゾーラのスキンクリーム(1,300ドル)」などが入っているという。
受賞候補者のうち注目されているのは、米俳優のレオナルド・ディカプリオ、マット・デイモンの二人に加え、女優のケイト・ブランシェット、米女優のジェニファー・ローレンスだ。
イスラエル観光省のリディア・ワイズマン報道官は、受賞候補者のうち26名に10日間のイスラエルへの無料バカンスを進呈すると語った。このなかには、レオナルド・ディカプリオ、マット・デイモン、ジェニファー・ローレンスらも含まれている。ヤリフ・レビン観光相は日曜日、「彼らの来訪は、数百万人のファンに多大な反響を呼ぶことになるだろう」と語っていた。
これに対し「イスラエルに対する学術的・文化的ボイコットのためのパレスチナ・キャンペーン(PACBI)」創設者のひとり、ウマル・バルグースィー氏は、受賞候補者らに向けてこのオファーを断るよう働きかけた。バルグースィー氏は、イスラエルは被占領地パレスチナの土地に対する政策を変えるのではなく「賄賂によって加速する国際的孤立と戦おうとしている」と指摘。続けて、新作映画『JOY』で受賞候補に選ばれたジェニファー・ローレンスが主役を演じた『ハンガー・ゲーム』を引き合いに、「ガザには『ハンガー・ゲーム』は存在しない。あるのは『本当のハンガー(飢え)』だけだ」と語った。
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( 翻訳者:井上剛 )
( 記事ID:39794 )