エジプト:ロシア機墜落に対するスィースィー大統領の見解
2016年02月25日付 Al-Nahar 紙


■スィースィー大統領、ロシア機墜落に関しテロとの見方を示す「私の話だけを聞いていただきたい。私以外の者の話に耳を貸さぬよう」

【AFP通信、ロイター、AP通信、アラビーヤ・ネット、シュルーク】

エジプト大統領アブドゥルファッターフ・スィースィー元帥は初めて、ロシア機墜落は、エジプトの観光業にではなく同国政府とロシア政府との関係に打撃を与えることが目的であったとし、墜落は爆破テロとの見方を示した。また国内情勢に関して、政府および 議会への批判は国家を麻痺させることを狙ったものだとし、国民に大統領の話のみに耳を傾けるよう訴えた。

スィースィー大統領は、「2030エジプト戦略的開発」計画始動の会議において、以下のように問いかけた。「テロは終焉を迎えたのだろうか?いや、まだだ。しかしわれわれは抵抗できる。航空機を墜落させた者は、何を意図しているのか?観光業への打撃のみだろうか?否、対ロシア関係への打撃である。もし犯人が、われわれを孤立させるべく、すべての国とわれわれとの関係を壊すことができるのならば、そうしていることだろう。」

エジプトは今回、航空機は故意に墜落させられたと初めて言及した。またロシア政府は、2015年11月17日に航空機が爆弾が爆発したことにより墜落、これはこの航空機がシャルム・エル・シェイク空港を離陸した23分後のことだと発表していたが、エジプト政府は、証拠はまだ出ていないと述べた。スィースィー大統領は自ら、「イスラーム国」(「ダーイシュ」)が犯行声明を出す以前に航空機墜落を「国の評判を貶めるための単なるプロパガンダに過ぎない」と説明していた。

また「(イスラーム国)シナイ州」が航空機墜落に対し犯行声明を出し、今回の(爆破)行為では清涼飲料水のケース内に設置された爆破装置が使われたと述べた。

この事件後、ロシアはエジプト発着便の運行を取りやめ、イギリスと共に両国の国民数万人をシャルム・エル・シェイクから避難させることを決定した。独「ルフトハンザ」社や仏「エールフランス」社、(UAE)「エミレーツ航空」社のような各国の航空会社も同様に、安全性を考慮し、北シナイ上空の飛行中止を決定した。ロシア機墜落後、11月から12月の観光収入は2,900万ドルまで落ち込んだ。2015年の観光収入は62億ドルで、国の統計によれば2014年に比べ15%減少した。

(後略)

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( 翻訳者:増田まい )
( 記事ID:39918 )