エジプト:内務省がイタリア人青年殺害事件の捜査継続を発表
2016年02月25日付 Al-Ahram 紙
殺害されたジュリオ・レジェーニさん
殺害されたジュリオ・レジェーニさん

■内務省発表、イタリア人青年殺害の容疑者いまだ特定できず、あらゆる可能性が浮上

【ムハンマド・シューマーン】

内務省は声明で、イタリア人青年ジュリオ・レジェーニさんの殺害事件の真相究明を目指す捜査チームは、捜査活動を継続しているものの、犯人の身元特定や犯行動機の解明にはいまだ達していないと発表した。また内務省は、エジプト・イタリア間の親密な関係のなかで、これまでの捜査状況の進展に対する両国の世論に耳を傾けるよう努めていると述べる一方、とりわけ一部には、捜査結果を執拗に急かしたり、噂を繰り返し流したりする者がおり、海外の一部報道では、それらの噂を確固たる根拠もなく扱っているとした。また世論を惑わし、調査の進展に影響を与えるような形で事実無根の情報が流布しており、一部の海外メディアは情報の裏付けもせずにスクープをつかもうとしていると語った。

エジプトの治安当局は、治安部門担当内務大臣補佐のサイイド・ジャード・ハック少将ならびに、内務省犯罪捜査局のジャマール・アブドゥルバーリー内務大臣補佐が率いる捜査チームを設立。捜査チームは、被害者に関する調査や関係者への調査を主軸に置いた包括的な捜査計画に基づいて、事件捜査や殺害状況の解明を目的としている。被害者は、6カ月という限られた滞在期間にもかかわらず、広範囲に多くの交友関係を持っていたことが捜査により明らかになった。また捜査チームは、被害者の交友関係や接触先の一部を特定、エジプト人、外国人を問わず、被害者と関係があった者を呼び出し、被害者との交友関係について事情聴取を行った。同様に、捜査チームは被害者の住居周辺の聞き取り調査を実施した。

捜査チームによる継続的な捜査にもかかわらず、いまだに犯人の身元特定や犯行動機の解明には至っていない。しかし、多くのデータや情報からあらゆる可能性が浮上しており、犯罪活動または、被害者のイタリア人青年が滞在先や研究の場で広範囲に多くの交友関係を持っていたことから、個人的な復讐願望による可能性などがあげられている。

内務省は、エジプトの治安当局とイタリアの捜査チームの間で協力関係が成立していると強調しており、2月5日以降、頻繁に合同会議を実施し、事件に関するあらゆる質問へ回答しているとした。

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( 翻訳者:塩川ゆうり )
( 記事ID:39921 )