CHP(共和人民党)のバイカル元党首は自身への批判に返答し、話題となっている事柄に関して説明した。
アンタルヤ県選出のCHP国会議員デニズ・バイカル氏が、ハベル・テュルクTVの番組「トルコの脈(Türkiye'nin Nabzı)」に出演した。
バイカル氏はシリア情勢について、こう語った。
「我が国はシリアと900Kmも国境を接しているが、それはとても変わりやすい国境だ。シリアは政治の主体性が消え、その風景は内戦へと変わり、内戦は宗派対立へ姿を変えた。残念なことに、トルコ政府はこの問題がすぐに解決されるであろうと大きな自信をもっていたようだが、その問題は今や我々にとって死活問題ともなってきた。トルコからシリアへ流入する若者の一部はアサド側へ、また一部はトゥルクメン側につき、また一部はIS派だ。
問題はトルコの上にのしかかってきている。こうしたことが長引けば、更に我々に重くのしかかってくることだろう。一方ではある集団が民族浄化を行っている。ロシアによるトゥルクメンに対する爆撃も行われ、アラブ人に対する民族浄化も行われている。これらが成功すればトルコは完全に包囲されてしまうこととなる。トルコはアアザーズ国境から来る難民のため保護権を行使しているのだ。」
■CHP内でバイカル氏へ反発
バイカル氏は党内からの批判についてはこう語った。
「真剣になってほしい、トルコを話し合っているのだから。2週間前の私の発言が曲解され、私が誰かを支持していると噂された。私の発言は皆を驚かせたが、私はトルコにとっての利益を考えたのだ。2日前にクルチダルオールCHP党首も私を同じことを述べていた。」
■「アレッポはスンニの都市」発言について
「もちろん都市の信仰や宗派というものはない。あなたたちが言う都市アレッポは第一次世界大戦末期に402年の支配を経てオスマン帝国から分裂した。そのため、人々の信仰や宗派を評価することはとても不適切だろうが、このような状況になった以上、そうした評価は不可避だろう。残念なことに宗派間紛争があるからだ。申し訳ないがアレッポはスンニ派の都市である。」
■「宗派観」批判
「番組を見た人も見ていない人も批評をしているが、私は人生をかけて、我が国を脅威から守ろうとしてきた。トルコにおける宗派対立の芽を1975年に見た。もっとよく考えてみてほしい、カフラマンマラシュ、チョルム、スィヴァスでの事件は起こらなかったものとされた。これらを世間に公表したのは私だった。トルコはある場所へと向かっている。私は国民に注意を促さなければならない。二度とあのようなことが起きないよう尽力している。我々の歴史において宗派間対立はある。ないなどとは言えない。」
■ダウトオール首相とクルチダルオール党首の発言に対する返答
「クルチダルオール党首の批評に癇癪を起したりはしなかった。その批評は私に向けたものではないだろう。誰も私がトルコの利益のためではなくシリアの利益のために話したなどとは言えないし、私にトルコの利益について教授する権利は誰にもない。私が発言をした直後、クルチダルオール氏も同じことを述べた。これらは間違っている。こうした言い合いのような議論ではだめだ。私は以前、「政治家はその国家の利益を政党の利益よりも優先する者である」と述べたが、いまだに同じ考えである。このような私に向けられた発言は気にしていない。外交は武勇でするものではない。」
■「AKPへ移籍」疑惑
もちろんAKPはトルコの一政党であり、それについて悪いことは言いたくはない。しかし私の 政治的線引きは明らかである。1992年に解党されたCHPの第二の設立党首としての自負がある。このような環境に陥ったことを悲しく思う。」
■テロ事件
「トルコで大変な悲劇が起きている。人々が外出できない、あるいは移住しなければならない状況に置かれている。なぜこんなことになったのか、それを見る必要がある。「もう母親が涙を流さないように」と発展的政策を打ち立てた。この目的はテロを用いる者を説得することであり、国民を幸せにすることではなかった。私はこの政策がテロを正当化してしまうこと、その地域で絶望的な結果を招いてしまうことを可能な限り説明した。PKKはこのプロセスを自分達のために利用した。今我々は遅れてこれに反発している。これは誤った政策だったのだ。次の2点を強調したい。一点目は暴力や圧制を行うものを国民は支持しないということだ。彼らを行動に起こさせることができなかったのだ。テロ爆破事件で最も被害をこうむったのはその地域に住む人々である。もう一点は、現在のような暴力的政策を継続しないことだ。その地域の人々をPKKとAKPの間に放り出すことは誰もできない。暴力に頼らない政治的活動を南東トルコで一刻も早く行う必要がある。」
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( 翻訳者:入口 愛 )
( 記事ID:39955 )