レバノン:ダーイシュに拉致された兵士の家族がレバノン政府に問題解決を訴える
2016年02月26日付 Al-Nahar 紙
拉致された兵士らの写真と氏名。手前の文字=「祖国の品格」。下の緑の帯=事件発生以降の経過日数(574日)
拉致された兵士らの写真と氏名。手前の文字=「祖国の品格」。下の緑の帯=事件発生以降の経過日数(574日)

■ダーイシュに拉致された兵士の家族がカジノの近くに詰めかける:政府は怠慢だ

【レバノン国営通信】

本日(2月26日)午後、ダーイシュに拉致された兵士らの家族が、高速道路からカジノ・ドゥ・リバンの中に至る道路の正門に詰めかけた。国内治安部隊は、デモ隊がカジノ構内に向かって侵入するのを防ぐべく警棒と盾によってブロックを強化した。

多数の家族が代わる代わる以下のように明らかにした。「私たちには高速道路を封鎖する意図もなければ、人々を混乱させたり破壊や騒乱活動を行う意図もない。そうではなく、目的は、私たちの声を政府高官らに伝え、彼らに私たちの息子たち(訳注:拉致された兵士たち)の問題を解決することに向けた行動を新たに促すことだ。」

拉致されている兵士ムハンマド・ユースフ氏の妻は乳児を抱えており「おそらくこの子がいることが高官らに影響を及ぼすだろう」と語った。また、他のすべての家族同様、彼女も1年2か月もの間兵士らの状況について何の情報も受け取っていないということを明らかにした。

その兵士たちのひとりの兄弟ニザーム・ムギート氏は激しく政府を非難し、政府を「無能で怠慢で非力」と評した。また同氏は「私たちは、この問題について行動をおこし肯定的な成果をあげるのに最適なのは、アッバース・イブラーヒーム少将であることにすっかり気づいている」と述べた。

さらに同氏は「国内政治の複雑な内部事情が解決に至ることを阻害している」と非難し、障害となっている部局または責任者の名前を公表するよう首相に求めている。また「自分たちの活動の目標はカジノ・ドゥ・リバンでもそこの従業員たちでもない。同カジノを選んだのは、それが観光施設だからだ」と明かした。

同氏は、現在彼らが行っているような抗議活動が、今後さらに緊張した平和的ではない形で、他の観光施設の前でも続けられる可能性を否定しなかった。兵士たちの問題を取り巻く曖昧模糊とした状況の中で、困難な精神状態で暮らす家族らの我慢が限界に達しているためである。

同氏は「今日の私たちの活動に対する政府高官らの反応と行動を待っている。私たちは、それをふまえて、これからの行動方針を決定する」と締めくくった。

(後略)

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( 翻訳者:了源康平 )
( 記事ID:39959 )