ユルマズ・ギュネイ氏の娘がファトシュ・ギュネイ氏に対して行った裁判で判決が出た。裁判では、3~14年の禁固刑がファトシュ・ギュネイ氏に請求されていたが、「請求されている罪を働いたとするに具体的で説得力のある証拠が得られなかった」として無罪を言い渡した。
ユルマズ・ギュネイ氏とブリテン・ウナルさんの娘であり、フランスに在住しているギュネイ・ピュテュン氏は、有名な監督であるユルマズ・ギュネイ氏によって 1947年に設立されたギュネイ映画制作株式会社の株主であった。彼女は、会社の経営責任者であるファトシュ・ギュネイ氏(ジャーレ・ファトマ・ピュテュン氏)が会社の総会でギュネイ・ピュテュン氏に知らせることなく彼女の名で署名したと主張し、義理の母であるファトシュ・ギュネイ氏について 「公文書偽造」を理由に裁判を起こした。イスタンブル第一審刑事裁判所50番室で開かれた裁判は今日結審が行われた。審理には、ユルマズ・ギュネイ氏の娘、ギュネイ・ピュテュン氏と弁護人が参加した。
■ギュネイ・ピュテュン氏の弁護人:ファトシュ・ギュネイ氏が署名を模倣したとして求刑
証拠資料について発言をおこなったギュネイ・ピュテュン氏の弁護人は、2009年の資料にある署名がファトシュ・ギュネイ氏のものであることについて疑いがあることが確認されているのを筆跡学の専門家の用意した報告書が言及していることに触れ、そもそもこの報告書が受け入れられるべきものでないと述べた。ファトシュ・ギュネイ氏が1996年に総会でギュネイ・ピュテュン氏の署名を真似たことに関し専門家による確認が動かない証拠になったとする弁護人は、ファトシュ・ギュネイ氏が「公文書偽造」で処罰するよう求めた。ファトシュ・ギュネイの弁護士のギュナイ・ウシュクは、代理人の無罪を訴えた。
■ファトシュ・ギュネイ氏への無罪
判決を出した第一審刑事裁判所50番室のハリル・イブラヒム・チェレビ裁判官は、起訴状で述べられている罪が「公文書偽造」とされているが、罪が 「私文書偽造」の範疇に入るとし「求刑されている罪を働いたとするに具体的で説得力のある証拠が得られていない」として、ファトシュ・ギュネイ氏を無罪に決めた。起訴状でファトシュ・ギュネイ氏について、「会社や共同組合について間違った情報を与えた」罪でも求刑されているとしたチェレビ裁判長は、この罪が起訴状で具体的に明らかにされていないことを理由にこの罪に対し判決を下す理由がないと判断を下した。
■「父が設立した会社について父が亡くなって知った」
ユルマズ・ギュネイ氏の娘のギュネイ・ピュテュン氏は前回までの審理で行った主張では1981年からフランスで生活していたとし、「父ユルマズ・ギュネイによって1974年に設立されたギュネイ映画制作会社について、父が亡くなった1984年に知った。2002年までトルコにまったく戻らなかった。その後は毎年定期的に来るようになった。2011年に行った調査の結果、会社の複数の総会に私が参加し、署名しているとする議事録がとられていた[のが判明した]。さらに私の知らないうちに株が減らされていた。ファトシュさんの仕業だと考えている。物理的に精神的にダメージを与えられたため訴えます」と話した。
■「国外へ逃れる際も彼女自身も連れていった」
ファトシュ・ギュネイ氏は、ギュネイ・ピュテュン氏が夫の娘であり、嫡子であることから分け隔てしてこなかったとし、「1981年9月12日、不当な扱いを受けた者(夫に執筆したものを理由に100年の刑が請求されていた)として国外へ逃げる時は彼女も一緒に連れて行った。彼女の父はその3年後に亡くなった。1992年に私はトルコへ戻ることを決めた。ギュネイ・ピュテュン氏と話した。彼女に父の名前を残すためいくつか計画があることを説明した。」
■「トルコの最初の実業家のうちの1人の娘である」
ファトシュ・ギュネイ氏は、トルコに戻ってから後、1970年に創設された会社を再建し、ギュネイ・ピュテュン氏とともに息子のユルマズ・ピュテュン氏を相続分相当の株の割合で共同経営者にしたとし、「この手続きはギュネイ・ピュテュン氏が不在で求めのないまま行われた。なぜなら彼女は数年前までフランスに難民状態にあったからである。しかしそれでも私は彼女が存在するものとして、権利をもっていることを証明したいと願った」と話した。また、父から相続した株を息子のユルマズ・ピュテュン氏に移し、また自身が会社で現在4%の株を持っているとして、「だから私は会社からの利益を何ひとつ期待していません。トルコで最初の実業家のうちの一人の娘です。物的なものはいつも要らなかったし、何も受けたことはない。唯一の目的はユルマズ・ギュネイ氏の名を生かすことです」と述べた。
■「起訴状から」
検事によって作成された起訴状では、ギュネイ・ピュテュン氏とファトマ・ピュテュン氏(ファトシュ・ギュネイ)が映画監督ユルマズ・ギュネイ氏の相続人であることが明らかにされた。起訴状では、原告のギュネイ・ピュテュン氏が、相続を通じてギュネイ映画制作会社の共同経営者であり、フランスで生活していたが会社が2005年から2009年の間に行った総会に参加したとされ、代理で署名が行われたことが明らかにされた。ファトシュ・ ギュネイ氏の主張にも言及した起訴状では、検事は「公文書偽造」、「会社または組合について間違った情報を与えた」罪によってジェール・ファトマ・ピュテュン氏(ファトシュ・ギュネイ氏)について3年から14年の禁固刑で処罰されるよう求めた。
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( 翻訳者:佐藤彩乃 )
( 記事ID:39961 )