ヨルダン:改めて浮き彫りになったテロの脅威
2016年03月02日付 al-Hayat 紙


■ヨルダンは改めて「テロ」に直面

【ドバイ:ガイス・ハダーディーン】

火曜から水曜にかけての晩、ヨルダンの人々は、同国北部イルビド市における、特別治安部隊と「イスラーム国(ダーイシュ)」系集団との間の流血を伴う衝突にかんする情報を見聞きしつつ過ごした。この衝突で治安部隊1人、武装集団7人が死亡し、シリアやイラクで活動する過激主義組織のメンバーがヨルダンに流入する危険が改めて浮き彫りとなった。

ヨルダンの諜報機関は、「我々はテロ組織ダーイシュの犯罪計画や継続的破壊を防いだ。同組織は国内の民間・軍事施設を標的に、国家の治安を不安定化させようとしている」と発表した。なお、今回の衝突はヨルダンが2014年夏、ダーイシュ掃討を目指す有志連合に参加して以来最大の、最も激しいものであった。

ヨルダンが有志連合に参加したことで、国内各地は懸念に包まれ、テロ組織による報復やテロリストの流入といった不安や恐怖が生まれた。とりわけこれは、ヨルダンがダーイシュへの空爆を激化し始め、2015年2月に同組織がヨルダン人パイロットのムアーズ・カサースィバ氏を殺害、「アル=カーイダ」所属のイラク人自爆テロ犯、サージダ・リーシャーウィー氏と死刑囚であるズィヤード・カルブーリー・マンタミー氏の釈放を求めた後だった。

カサースィバ氏の死はヨルダン国内に大きなショックを与え、同氏が実は2015年1月に殺害されていたと発表した政府に加えて、遺族から世論まで、激しい怒りの念を抱いた。リーシャーウィー氏に関しては、2005年の自爆テロへの関与で有罪判決が下され、2006年9月21日に死刑が宣告された。カルブーリー氏は2006年5月にアル=カーイダに参加した罪で逮捕、2007年4月5日に国家治安裁判所が死刑を宣告した。

軍事専門家らは昨年、本紙に対して、「ムアーズ・カサースィバ氏の死後、ヨルダンは対テロ戦争に大きく方向転換した。ヨルダン人はダーイシュへの報復に燃えている」と述べた。また匿名希望の治安筋はAFP通信に対して、「22人の指名手配者がイルビドでの衝突で逮捕され、全てヨルダン人だ」と述べた。これは、過激主義組織に共鳴しているヨルダン人の存在に加え、多数のヨルダン人が特にシリアやイラクで同組織に参加している問題を改めて明らかにした。2014年9月のヨルダン大学軍事研究センターの調査によれば、7%のヨルダン人がダーイシュに教義面で共鳴している。

(後略)

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( 翻訳者:内海菜生 )
( 記事ID:39983 )