■彼らの保護は義務である...「人身取引」の犠牲者たち
【アビール・ダマラーニー(調査・報告)】
強制労働、奴隷化、売春やわいせつ、児童の酷使、未成年女児の結婚、臓器売買、これらは全て売買された人々の一場面である。
取引は人々を集め、運び、隠し、受け入れることで行われる。この一連の流れは、脅迫を伴う力ずくか、何かしら強制的な形で行われる。誘拐や詐欺、利益や金銭を与えることでも行われる。これは犯罪を通して利益を搾取すべく取引を管理するためである。人身取引という犯罪は既に驚くべき段階に達し、各国政府や国際組織の能力を超えているため、各国共同の努力なしでは解決できない。
問題解決のため、第一に被害者のケアが求められるようになった。この犯罪の被害者は、消極的ではなく、積極的にケアされる(べき)と見みなされる。全ての訴訟段階において被害者の権利が明らかにされ、また支援する方法が提供されなければならない。被害者は容疑者だけでなく、刑事司法制度の餌食にもなっている。多くの国際法や協定、憲章が人間の保護とその権利の保障を強調している。国際社会はこの現象の深刻さを認識し、この犯罪は(現在も)続いており、世界で行われているものと見なした。
人身取引は、カイロ治安当局副官のムスタファー・シャッハータ少将による調査が示すように、国境をまたいで組織された犯罪である。人間を搾取し、国際・地域(犯罪)組織がこれを取引対象となる商品と見始めたからだ。現在、人身取引は増加しており、これに立ち向かい、自身を守り、対処する方策を見つけられなかった人々の将来にとってより危険なものとなった。というのも、特にこの種の犯罪は、社会で弱い立場にある女性や児童を標的とするからである。だからこそ彼らには手厚い保護が求められ、国際・地域レベルでの会議や組織を通じて、国際社会から強い関心が寄せられているのだ。
専門機関や国際機関はこの犯罪に立ち向かうことの難しさを感じている。国をまたいでさまざまな要因が絡み合い、一部の国に広がった情勢とも関わる一方、各国がこの犯罪に対処する際に根拠とする法体系が各国で異なるからだ。女性や児童を売春や性奴隷目的に取引する動きは世界で増加傾向にあるとされ、人身取引との戦いには国際的な計画が欠かせない。この計画は国連が、データの収集と分析、政策の立案、巨額の利益を生む人身取引の被害者の権利を守る計画実施を通じて主導する。
犯罪者は被害者を地域社会から別の地域、しばしば国外に移す。これは彼らを孤立させ、外国語で会話できなくさせるためだ。同様に彼らはなじみのない文化に調和できないため、彼らは搾取、暴力、薬物依存、性的あるいは肉体的な搾取に関連した健康問題に対処するための心的・物的な支援を受けられない。
人身取引という現象は、ここ数年で各国政府や国際組織の能力を超え、特に現代の奴隷問題となり、未成年者や若い女性を含む幅広い社会層に現実上の脅威をもたらしていることから、最も重要な国際問題の一つとされる。彼らは法的責任能力がなく、保護せねばならない。このため関心は各国の地域的な範囲を超え、以下のことが求められるようになった。すなわち、被害者の国際的保護および拘束から審理過程における法的保護の達成、彼らの権利行使およびこれを守るための適切な場所や手厚い扱い、ならびに支援の提供に関する警察の役割、そして最も重要なものとして、不服申し立てや刑事告訴の手続きに関する被害者の権利(の保護)である。
(後略)
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( 翻訳者:増田まい )
( 記事ID:39994 )