観光業に打撃、2,111のホテルが売り出し中
2016年03月11日付 Cumhuriyet 紙

テロやロシアからの観光客減により、イスタンブルのホテル稼働率は複数の地区で15%を下回った。危機が原因で、トルコ全体で2,111のホテルが売りに出されている。

次々と爆破が起こり、トルコ東部・南東部では100日間を超えて外出禁止令が敷かれ、ロシアからのトルコ観光客減により、観光業界は瀕死状態にある。

トルコで発生している痛ましい事件が観光業界に波及していることは、ホテル稼働率の低下が物語っている。2016年1月のホテル稼働率は、トルコ全体で50%を下回った。特に、スルタン・アフメトでの事件でドイツ人観光客が亡くなって以降、この地区のホテルはほぼ空室となっている。イスタンブル全体のホテルでは、ヨーロッパからの観光客は皆無と言われるほどその数は少ない。ホテルのオーナーによると、イスタンブルはイランやアラブ人観光客が滞在しているが、こうした地域からやってくる観光客もホテルを埋める程の数ではない。イスタンブルのホテルで予定されている会議も、大幅に減少している。

トルコホテル協会(TÜROB)が、2016年1月のカントリーパフォーマンスレポート(STRグローバル作成)より収集したデータによると、2016年1月期のトルコのホテル稼働率は、対前年比6.2%減で47.6%となった。欧州各国の中で、最も大きな落ち込みを見せた。

■イスタンブルは大きな落ち込み

現状、観光先として最も落ち込んでいるのがイスタンブルである。2016年1月のイスタンブルのホテル稼働率は、前年同期比11%減の48.7%となった。2015年1月の率は54.7%である。平均販売料金は97.1ユーロで、2015年と比べ5.2%落ち込んだ。平均客室単価は、前年比15.6%減の47.3ユーロとなった。同単価は2015年1月で56ユーロであった。イスタンブルは、欧州全体で初めてリストに掲載されたバクーに続き、2番目に大きな落ち込みを見せた観光地となった。

■料金下落

シシュリのバーデホテル、ラーレリのアルト・エルダルホテルのナーズム・デニズ経理マネージャーは、ラーレリ地区のホテル稼働率が30%台を下回ったと述 べ、「イスタンブルに我々のホテルは5つあったが、問題が発生したため、2つを手放さざるを得なかった。ホテル稼働率を維持するため、料金を35%下げた。シシュリのホテル稼働率は40%台で、年間50%台となれば、成功だ」と述べた。

■2,111のホテルが売り出し中

エーゲ観光経営・宿泊協会の調査によると、ロシア観光客減、テロ事件の増加、経済問題が原因で、トルコ全体で2,111のホテルが売りに出されている。

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( 翻訳者:山根卓郎 )
( 記事ID:40028 )