3千件のキサース刑を出した名物判事アズィーズ・モハンマディー、インタビューに答える(2)
2016年03月24日付 Jam-e Jam 紙
しかし、アズィーズ・モハンマディー判事が審理した重要事件の中には、彼が数年前に審理し、「もっとも凄惨な家族殺人事件」として有名な事件が含まれている。彼は次のように言う。
この事件では、ファーテメという名の若い女性がエブラーヒームという名の若い独身男性と知り合いになり、自分を独身の女子大学生と名乗り〔、この独身男性と不倫をし〕ました。
ファーテメの夫であるエスマーイールはこの関係に気づき、妻に対して火遊びを続けるよう求めました。凶行に及ぶことになるこの男は、自分をファーテメの叔父だと名乗るようになります。男はさらに、二人の息子に対し、自分の母親を叔母さんと呼ぶよう要求しました。
男はその後、ある友人に金を支払い、エブラーヒームの妹に求婚するよう求めました。〔こうしてエブラーヒームの妹に近づいた〕彼は復讐のために、まず手始めに、このエブラーヒームの妹を自分たちの家に引き入れ、彼女を殺害しました。男はこの若い女性を殺害した後、彼女の遺体を陵辱し、さらにはバラバラにしてしまいます。
凶行に及んだこの男はその後、エブラーヒーム殺害計画を実行するために、エブラーヒームと結婚するよう妻に強要しました。彼は妻と赤の他人である男性(エブラーヒーム)のために、結婚式まで開きました。エスマーイールは若い女性を殺害した数日後、宝物を発見したと言って、エブラーヒームをダマーヴァンド山に連れて行き、友人と共謀して彼を殺害しました。
この殺人鬼はさらに、二人の息子の首を切断して殺害しました。その理由は、エスマーイールがエブラーヒームの妹を殺害したのを、二人が目撃したからでした。この事件では、妻ファーテメの裏切りが、4人殺害の原因となってしまったのです。
実父を殺害した犯人を赦したことも
アズィーズ・モハンマディーは引退後、自伝を書き、本として出版することを心に決めている。刑事物の映画が好きな彼は、自分の父を殺害した犯人を赦したこともある。彼は次のように説明してくれた。
私は自分が担当する事件では、遺族に〔犯人を〕赦すよう提案しています。もし自分自身が同じ状況に置かれたらどうするべきか、いつも考えてきました。父の死は、私にとってとても辛いもので、私たちの家族にも大きな影響を与えました。しかししばらくした後、私は〔父親を殺害した犯人へのキサース刑の免除に〕同意することを決めました。犯人はとても若く、彼にはもう一度生きるチャンスを与えるべきだと、考えたからです。
彼には3人の娘と1人の息子がいる。彼らは皆、何年も自分の父親の仕事を目にしてきたが、しかし父親の道を歩んだ者は誰もいない。アズィーズ・モハンマディー判事は言う、「幸か不幸か、子供たちの誰一人として、私の道を選んだ人はいませんでした。娘たちが裁判官を夫に選ぶこともありませんでした。裁判官の家族が受け入れなければならない、喪失と制約をよく知っているからでしょう」。
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( 翻訳者:SMC )
( 記事ID:40140 )