第5回専門家会議選挙を振り返る—二つの候補者リストの間の争い(1)
2016年03月16日付 Iran 紙
二つの候補者リストの間の争い
専門家会議選挙の宣伝活動の開始時期が近づくと、ゴム神学校講師協会は協会が支持する立候補者のリストを全国で公表した。二協会(「闘う宗教指導者協会」と「ゴム神学校講師協会」)は専門家会議選挙に向けて、立候補者のリストを一本化することになっていたにもかかわらず、両者は7名の候補者について合意に到らず、最終的に7点の相違を抱えた形での共通リストを提示した。
両者の間の最大の対立点は、リストにアーヤトッラー・ハーシェミー=ラフサンジャーニーを入れるかどうかだった。というのも、「闘う宗教指導者協会」は、内部での採決後、自分たちの一上級メンバー〔※ハーシェミー=ラフサンジャーニー〕の名前を推薦リストに載せることを決定した一方で、ゴム神学校講師協会はハーシェミー=ラフサンジャーニーの名前を自分たちのリストに載せないことに固執したからである。
その結果、二協会はテヘランで、1点の相違を抱えた形で、16名からなるリストを発表、そのリストのトップにはモハンマド・タギー・メスバーフ=ヤズディー〔※保守強硬派の代表的人物、「法学者の絶対的監督権」のイデオローグとして有名〕、モヴァッヘディー=ケルマーニー〔※「闘う宗教指導者協会」会長〕、アフマド・ジャンナティー〔※護憲評議会書記〕、モハンマド・ヤズディー〔※専門家会議議長、ゴム神学校講師協会会長〕などの各アーヤトッラーが名を連ねた。
その一方で、「人民の専門家」と題された16人のリストが、アーヤトッラー・ハーシェミー=ラフサンジャーニーとハサン・ロウハーニーをトップに据える形で発表され、メディアでは「ハーシェミーの仲間たち」の名で知られるようになった。とはいえ、ハーシェミー自身はこのリストとの関わりを否定し、このリストは一部のウラマーが作成したもので、自身はリストのトップに名を掲載させてほしいと頼まれたにすぎないと述べている。
ここで一考すべきは、テヘランで相争うこの二つのリストには共通の立候補者が8名いたことである。ある外国のアナリストはこれに注目し、有権者が「人民の専門家」のリストに完全に沿う形で投票した場合、このリストのトップに掲載された立候補者が票を集める可能性が高くなり、また両陣営で共通の8名の立候補者が得票することになるため、〔「人民の専門家」には掲載されていない〕二協会のリストのトップに掲載されていた候補者ら〔※具体的にはメスバーフ=ヤズディーやモハンマド・ヤズディー、アフマド・ジャンナティーなど〕が得票する可能性は低くなるだろうと述べたのである。
この分析はアーヤトッラー・ハーシェミー=ラフサンジャーニーに批判的な人々が運営する広報サイトなどで瞬く間に広がり、公益判別評議会議長〔※ハーシェミー=ラフサンジャーニー〕や大統領〔※ハサン・ロウハーニー〕、情報相〔※マフムード・アラヴィー〕らが名を連ねたこのリストを、一部の政治・メディア関係者らが「イギリス製のリスト」と呼ぶ原因となったのである。
※訳注:この分析を行った「外国のアナリスト」とはBBC Persianのイラン人ジャーナリストのことで、ラフサンジャーニー中心のリストはイギリスが仕組んだものだとして、保守強硬派が非難するきっかけとなった。
つづく
この記事のつづきはこちら
( 翻訳者:PM )
( 記事ID:40230 )