ヨルダン:学校に通えないシリア難民の子供たち
2016年04月13日付 al-Hayat 紙


■シリア難民の子供たち、学校を避け、人との交わりを拒む

【アンマン:マーヒル・シャワービカ】

シリアから脱出するまで破壊、殺戮、そして強奪の光景とともに生きてきた多くのシリア難民の子供たちは今、移住先で疎外感に苦しんでおり、とりわけ児童たちは学校に通うことを拒否している。シリア危機が5年以上の長きに及ぶ今日、読み書きができない世代が生まれつつある。

国際連合児童基金(ユニセフ)ヨルダン事務所の情報・連絡部長であるサミール・バドラーン氏によると、40,000人のシリア人生徒が「非公式な教育」プログラムに登録されている一方、44,000人ものシリア人児童が学校に通わず、いかなる教育も受けていないという。

アンマンから北東に70キロ離れたマフラク県のザアタリー難民キャンプで暮らすザイド君(9才)は、同キャンプにいくつかある学校への入学を拒否したために読み書きが上手にできない。彼は母親と滞在する隔離された「キャラバン」に留まることを好んでいる。彼の母親は、この地に避難してきたときから彼が外出を拒んでいることを嘆き、こう語る。「ザイドは学校に行っていれば3年生になる。私たちの町、(シリアの)ダルアーで軍の攻撃により父親が殺された光景を目の当たりにしたことで精神的に苦しんでいる。」

彼の母親もできる限りザイド君をこの状況から脱却させようと試みてきた。彼が他者とより密接な交流ができるようになり、今も彼の心の中にいる父親が殺された残酷な光景を忘れられるよう努めてきた。彼らをキャラバンに呼び寄せた親類の力を借りて、ザイド君を力ずくで学校に運ぼうとしたこともあったが、彼はすぐにキャラバンへと戻り、学校には行きたくないと何度も頑なに通学を拒んで泣き叫んだという。

(後略)

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( 翻訳者:佐藤モエ )
( 記事ID:40269 )