フーゼスターン州で激しい雨と砂塵が発生
2016年04月14日付 Iran 紙


【イラン紙1面:社会部—ザフラー・ケシュヴァリー】イラン南部から届いた報告によると、激しい雨と洪水によってフーゼスターン州の18の都市の学校と大学、および西部ホッラマーバード市の複数の学校が休校を余儀なくされたとのことである。

 気象学者でテヘラン大学自然地理グループ主任のアリー・アクバル・シャムスィープール氏はイラン紙とのインタビューの中で、フーゼスターンやロレスターン、ザンジャーン、キャラジ等の各州〔※ママ。キャラジは都市名で、キャラジの位置する州は正しくは「アルボルズ州」〕での激しい雨と洪水の発生は気候変動によるものであると指摘し、イランにおける降雨の「時期的な遅れ」をもたらしていると言う。

 この時期的な変化は、シャムスィープール氏によれば、降雨が「秋」と「春」に集中するようになり、冬を意味のない季節にしてしまっているという。同氏は、エルニーニョ問題とは別に、近年冬が相対的に乾燥化している事実を指摘し、秋と春に降雨が集中する現象は主にイラン西部で起こっているとの見方を示している。〔‥‥〕

 この大学教授によれば、気候変動は気温の上昇や異常降雨などの一連の結果を伴うものであり、こうした異常は今後も続く可能性があるとのことである。〔‥‥〕

 アフヴァーズ在住のジャーナリスト、ファーテメ・バーヴァルサード氏もイラン紙とのインタビューの中で、フーゼスターンの危機的状況は年間を通してのものだとの見方を示している。〔‥‥〕

 都市の交通は快適とは言い難く、公共交通システムも良好な状態にない。「バスにはクーラーがなく、停留所にもありません」。今や、砂塵問題がこの問題に加わる。「家から出ることはまず不可能です」。もちろん、砂塵の問題は家や職場の外に限定されるものではない。「朝コンピューターの前に座ると、埃があまりにも積もっていて、机の上にあるマウスの場所にはくっきりとした跡が残っているほどです」。〔‥‥〕

 バーヴァルサード氏が描写するこうした情景は、フーゼスターンではいつものことである。「砂塵が到来すると、もはや生活はストップしてしまいます。昨日の大気はオレンジ色そのもので、茶色がかってすらいました」。

 彼女は「フーゼスターンでは家庭の多くが、週単位で買い物をします。今後数日間、砂塵によって家から出られなくなるかもしれないからです」と言う。

 昨年、大気汚染によって市では牛乳とマスクが配布されるようになったが、バーヴァルサード氏によると、「今年は意見の対立によって、牛乳とマスクの話も立ち消えなっている」と言う。しかし、これがフーゼスターン市民が経験している苦悩のすべてではない。彼女によると、砂塵によって市民の息も絶え絶えとなっているようなときに病院数が足りていないことも、州が抱えるもう一つの深刻な問題となっているという。そして今、ここ20年間州を悩まし続けてきた砂塵問題に加えて、気候変動の奔流が待ち構えているのだ。

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( 翻訳者:MR )
( 記事ID:40321 )