エジプト:『ヒラール』のパレスチナ・ナクバ特集
2016年05月06日付 al-Hayat 紙

■『ヒラール』はパレスチナのナクバの教訓を呼び起こす

【カイロ:本紙】

カイロで発行されている雑誌『ヒラール』の最新号には、「パレスチナ人が祖国を追われてから68年」と題した特集が組まれており、パレスチナのナクバ〔訳者注:イスラエル建国に伴う難民発生と虐殺〕の記憶を辿っている。本号の冒頭では以下のように述べられる。「この特集によって我々はナクバの瞬間を思い出すことができる。しかしそれは、ナクバが続いていることを確認し、それをより悲劇的に文章化するためではない。それは、教訓を得るため、シオニストの軍事機構に抵抗した闘士たちに光を当てるためなのである。これら闘士たちの存在は、パレスチナ住民ではないアラブ諸軍に覆い隠され、歴史家たちも彼らを見落としてきた。そうしたなか、敵側では「新しい歴史家」たちが積極的に活動し、ナクバに関する伝統的なシオニスト的語りに視点を戻しつつある。では、我々は我々自身の語りをいつ書きはじめるべきだろうか?」

編集長のサアド・キルシュ氏は「ナクバは続いている」と題して、次のように語った。「ナクバは繰り返されている。アラブのほとんど全ての国に、その国のナクバが生じた。各国はそれぞれの問題に直面し、自然発生的な、あるいは、作られた混乱から自らを守ることを余儀なくされた。おそらくこれらが、祖国の大地の分割を招いたのだろう。」

また、特集のなかでは、バイサーン・アドワーン氏とアブドゥルカーディル・ヤースィーン氏が、パレスチナにおける勇敢な自発的抵抗運動の詳細についてさまざまな側面から記述している。そこでは、いかにして準備不足のまま戦争に突入したアラブ諸軍がそのような抵抗運動を阻害したか、パレスチナ人の戦闘員が戦闘任務から外され、敗北を迎えたか、が記された。

アマール・アーガー氏は、パレスチナ人女性たちによるナクバ前の故郷に関する証言と、故地の景観について記録している。ファイハー・カースィム・アブドゥルハーディー氏は、書かれうる最大限の正確さをもって、パレスチナ・カモミールの花協会について記憶をよみがえらせた。また、フサーム・ジャーッド・ナッジャール氏は、1948年にエジプト軍が使用した武器にまつわる虚実について議論する。アシュラフ・ラーディー氏は、新しい歴史家たちの最も際立った研究を示しつつ、それがナクバに関するパレスチナの語りを認める真摯な研究の流れであるのか、あるいは、処刑者の側からのまやかしであるのかを論じる。そしてサラーマ・キーラ氏は今後についての問いを投げかける。「パレスチナにはどのような未来がありうるのか?」

フアード・ヒジャーズィー氏は、「ナクバを通じて見えること」において、「イスラエルの戦争犯罪者たちがヨーロッパの街々に姿を消した後、私たちは何をしてきたか」との問いを提起している。アーディル・ウスタ氏は、ナクバを予見していた3人の作家について言及する。マリーハ・ムスルマーニー氏は、パレスチナ人造形美術家シャリーフ・ワーキド氏の作品において、ナクバがどのようにして視覚的―文学的表現として変容したかを読み込んでいる。イーマーン・ムスタファー氏は、アラブ映画の中に映し出されたナクバの姿を提示する。タフスィーン・ヤキーン氏は、小説『ガザの海岸にいるアポロン神』について、マフムード・アブドゥルワッハーブ氏は小説『太陽の男たち』について、タラアト・リドワーン氏は芸術と演説の性格を併せ持つパレスチナの詩についてそれぞれ書いている。そしてファールーク・マワースィー氏は、『シャイフと願い』という題のショートストーリーを書いている。

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( 翻訳者:高寺葵 )
( 記事ID:40405 )