レバノン:「うちの子は本を読まない」
2016年05月12日付 al-Hayat 紙

■レバノンの子供たちは読書をしない社会の鏡である

【ベイルート:ヴェロニク・アブー・ガザーラ】

「うちの子は本を読みません。空いた時間があれば、電話やタブレットで遊びたがります。」こうした不満の言葉をレバノン人の母親たちは幾度となく繰り返し、学校へと持ち込む。その一方で、母親たちは教師から子どもの言語的な弱さの原因を尋ねられ、特にアラビア語について、家庭での読書や復習によって改善することができるかどうか尋ねられる。答えはいつも同じで、「うちの子は本を読みません」か「うちの子は読書が好きではないのです」だ。この問題はほとんど決まりきっているか、変化を起こすことができないように見える。このことは、レバノン人の子どもに限定されることではない。アラブのすべての子どもたちにあてはまることだ。アラブ思想財団の統計によれば、アラブ地域の子どもは、学校の授業時間以外では、1年に6分しか読書をしない。一方、西欧諸国の子どもが読書にあてる時間の平均は12000分に達する。

この数値は、アラブ諸国間の違いも含まれるが、全体にこの問題の暗い部分を表し、レバノン人を含めたアラブの子どもたち全体の危機へと目を向けさせる。読書文化の弱体化は、悪影響を及ぼさずにはいられない。とくに、家族は責任を棚上げし、テクノロジーのせいにして、良心の呵責を一切感じず、この問題が自分たちの手に負えないものだとみなしている。この世代は新しい技術の中を生きており、そこに本が入る余地はない。

■学校への不満

学校は子どもたちの抱える教育問題の測定にもっとも適した場所であると見なされている。「本紙」が5つの私立・公立学校に訪問し、これら教育機関から聞いた話によれば、授業時間外の読書の弱体化は、学校が教育水準を向上させるために直面する主要な問題の一つであるという。この問題は年々深刻さを増している。たとえば、学校は夏の間、家庭の保護者に対して読書のための本を買うことを提案した。〔夏休みの後〕生徒たちが戻り、これについて尋ねたところ、実際に本を買って読んだ生徒は、10パーセントを超えなかったことが明らかになった。

(後略)

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( 翻訳者:熊谷真結子 )
( 記事ID:40439 )