■中東で3300万人が飢えに苦しむ
【ドバイ:ダラール・アブー・ガザーラ】
食糧浪費の問題は世界規模で関心と活動を高めている。政府や国際的組織、研究機関、生産者、流通業者、小売業者、消費者のもとには、この問題について、可能な解決策や変化を引き起こす力の創出などさまざまな意見が出されている。
「国際連合食糧農業機関」(FAO)はローマ本部で食糧安全保障に関する閣僚級会議を開催し、次のように述べた。近東および北アフリカの諸政府は、「食糧の不足と浪費の問題を認め、その防止と削減を啓発し、戦略的な対策を講じる義務を満たすなど協働作業に努めた。また、食糧の不足と浪費を防ぐための集合的目標の設定において、10年で50パーセントの割合で削減するという主要な一歩を示した。これは、包括的な調査と戦略の準備のための組織的な支援を伴うものとされる。」
こうした積極的な数字に反し、紛争に直面している国々は、戦争における深刻な衰退に苦しみ、飢餓に直面している。中東地域では、栄養不良に苦しむ人々の数が30パーセント増加している。飢餓に苦しむ人々の数も倍増しており、いまや3300万人に上っている。
近東・北アフリカ地域では食糧不足を防ぐための地域的な枠組みが制定され、2014年に承認された。これは、社会・経済的な文脈やこの地域に存在する天然資源との関わりを重視し、基本的な目標と方針を支える国民的作業計画の策定を呼びかけるものである。
ジョゼ・グラジアノ・ダ・シルバFAO事務局長は、以下のように述べた。FAOが監督する中東・北アフリカの19カ国のうち15カ国が、ミレニアム開発目標に掲げられた栄養不良に苦しむ人口を半減させるという目標を達成した。クウェートとオマーンは、飢餓人口を半減させるという世界食糧サミットの目標を最も意欲的に達成した。ただし、イラクと南スーダン、シリア、イエメン、そしてヨルダン川西岸地区とガザ地区の国民のほとんどは、紛争を原因として、食糧安全保障の欠如に苦しんでいる。
シリアでは、国内の避難民は650万人に達し、さらに480万人を超える人々が難民として近隣諸国などへ逃れている。また、シリア国内に留まっている人々の半数は食糧援助を必要とする状況下にある。
(後略)
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( 翻訳者:川満友梨映 )
( 記事ID:40449 )